吉野ケ里遺跡(佐賀県吉野ケ里町、神埼市)で3日、昨年4月に手つかずだった「謎のエリア」から見つかった石棺墓の最終公開が始まり、県内外から多くの考古学ファンや家族連れが訪れた。6日までで、墓は近く保存のため地中に埋められる。

 「×」の記号のような線刻が確認できる墓のふた石も展示された。人骨や副葬品は見つからなかったものの、丘の上の見晴らしの良い場所にあったことも踏まえ、発掘を担当した県は「弥生時代後期の有力者の墓」と結論付けている。

 遺跡を案内していた県職員は「弥生時代は日本の形成を考える上で重要な時代だ。当時の文化財を多くの人に伝えられる意義は大きい」と満足そうに語った。