お店のスタッフの情報発信にブログを利用している企業も多くなっていますよね。しかし、そんなスタッフたちの多くは「同じ悩み」を抱えているのだとか。今回、無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』の著者で接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんが、効果的なブログの作り方、注意が必要なテーマなどについて語っています。
ナンバリング連載発信の効果近年はスタッフが情報発信をするなんて、ごく当たり前のことになっています。
SNSを通してばかりではなく、自社アプリやHP等でのブログ発信などをやっている人も多いのではないでしょうか。
こういうスタッフ個人の裁量でできる情報発信は、人によって頻度がかなりまちまちになります。
そうなる理由は忙しいかどうかよりも、発信する内容にあることがほとんどです。
更新があまりできないという人の多くが、「どんな内容を上げれば良いかわからない」という悩みを抱えているんですね。
ここでつまずいていると、いつまでも更新頻度を上げられず苦労することになります。
ではどんな内容にすべきかと言うと、もちろん正解などありはしません。
ただはっきりひとつ言えるのは、毎回悩むくらいなら、ナンバリングできるような連載企画を立てるべきです。
漫画の週刊連載のように、中身だけ変えて定期的に更新できるようなものを作ってしまうのですね。
この話はマーケティング系の人なら誰もが言っていることですが、僕も経験上効果的だと考えています。
例えば某有名アパレルブランドのスタッフブログなんかを見てみると、こういう連載企画があります。
「〇〇ブログ vol.60」
「〇〇通信 vol.79」
「オバんです。 vol.130」
(どこの企業かすぐわかるな笑)
それぞれのスタッフが自分で決めた企画名だと思いますが、共通している特徴は、同じ企画名でナンバリングをしていて、それなりの回数アップされていることです。
だいたいこの『vol.××』の前後にその回の内容がわかるタイトルが掲載されているわけですが、内容もある程度フォーマット化がされています。
そのため、紹介したいことや書きたい内容が変わったとしても、基本の型は変えずに短い時間でアップができるわけですね。
「これだとその1回の効果が薄まるんじゃないか」と思われる人もいるかもしれません。
それは確かにそうです。
毎回キャッチーなタイトルをつけて発信できている方が、1回あたりの効果は見込みやすくなります。
ですが、こうしたWEB上の情報発信の最大の魅力は『情報の蓄積』です。
WEB上には無限に近いレベルで情報をずっと置いておけるために、お客様が検索してたどり着いてくれたら目に入ります。
そうできるような情報をたくさん置いておけるかどうかが大きなポイントで、1回あたりの効果を狙って全然アップができないという状況よりもはるかに効果的なのです。
だからなるべく質の高い情報を数多く置いておけるようにすることが必要なんですね。
キャッチーなタイトルをつけるなら、こうしたナンバリングと一緒にやればそれで済むでしょう。
ナンバリングの魅力は、ファンも安心して見れるという点です。
毎回どのくらいの質で出てくるかわからない情報を見るよりも、「お、今回もアレだな」とピンとくる物の方が安心して人は受け取れます。
またこうしたナンバリング連載企画が浸透してくると、今度は「号外」みたいなちょっと特殊な記事にもより目がいくようになります。
散発的にアレコレ変わっていくものを発信していくよりもやっぱり効率が良いと言えるでしょう。
こうした企画を立てる時には、どのくらいまでナンバリングができるかを見越してやることです。
10回程度しか発信できることがないようなものを連載にすると、僕の経験上、100%失敗します。
アパレル系なら、「ジャケットの雑学」みたいな連載をもし立てたとすると、ジャケットの雑学をある程度紹介し切ったらもう書くことがなくなってしまいます。
これがまさに失敗パターンです。
他にもセレクトショップなら、取り扱いの「ブランド解説」みたいな企画にしてしまうと、ブランドを全て網羅してしまうと、それ以上書けることがなくなります。
そうではなくて例えば、1枚の写真からコーディネートポイントを解説するようにしてような企画の方が可能性は高くなるでしょう。
これは僕のメールマガジンでも同じことが言えました。
このメールのテスト配信当初は、『接客』という言葉をタイトルに入れて運用していましたが、『接客』に絞りすぎると、それ以外の内容が書きにくくなります。
また『接客』に関する話も、ある程度の回数を重ねてくるとどうしても似通ってきてしまう。
そこで色々と変更を重ねた結果、今の『販売力』という言葉を使っています。
『販売力』にしたことで、マーケティング的なこともブランディング的なことも、それ以外のこともいくらでも書きやすくなったため、幅が広がったわけです。
僕の失敗談はこの辺にしておきますが、発信がうまくできないという人は一度こういう企画も考えてみましょう。
ちなみに「〇〇のおすすめ」的なものは、その情報を出している発信者がよほど多くのファンをつけていない限りは、誰も興味がありません。
「おすすめ」になっている時点で、情報というよりも売るための商品説明になっていることがありありとわかるので。
”情報の蓄積”の面から考えても、その時期を逃したらおすすめではなくなるため、効果は半減どころかゼロになります。
適当に始めるとむしろ苦労するので、最初を真剣に詰めるようにしてください。
今日の質問&トレーニングです。
1)自社や自店の発信媒体で、ナンバリングができるような連載をするとしたら、何をしますか?
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