国内だけではなく、現在世界中でメガヒット中の『ゴジラ-1.0』(公開中)。日本での興行収入は50億円を突破、北米での累計興収が4500万ドルを超え、34年間破られなかった邦画実写作品のなかでの歴代全米興収ランキング1位を更新した。また、米アカデミー賞視覚効果賞のノミネート候補10作品(ショートリスト)にも日本映画で初めて選出され、まさに快挙づくしとなっている。

そして1月12日(金)には、本作のモノクロ版となる『ゴジラ-1.0/C』が公開されるなど一層盛り上がりを見せるなか、映画のロケ地となった茨城県、静岡県浜松市、長野県岡谷市では、本作とのコラボレーションイベント「ロケ地周遊作戦!」が開催中だ。本稿では、VFXを用いてゴジラや街を登場させた撮影場所や、名シーンが撮影されたロケ地をメイキングや場面写真と共に紹介していく。

■豪華賞品も抽選で当たる「ロケ地周遊作戦!」とは?

「ゴジラ」の大ファンである山崎貴が監督、脚本、VFXを手掛けた、ゴジラ生誕70周年記念作品にして、日本で製作された実写版ゴジラの30作品目、さらに“令和”初のゴジラ映画となった『ゴジラ‐1.0』。神木隆之介が主人公の敷島浩一役、浜辺美波がヒロインの大石典子役と、NHK連続テレビ小説「らんまん」の名コンビが再共演したことも話題となった。戦争により焦土と化した日本で出会った敷島浩一(神木)と大石典子(浜辺)。戦争を生き延びた人々が日本復興を目指すなか、追い打ちをかけるかのように、巨大怪獣ゴジラが出現!山田裕貴、青木崇高、吉岡秀隆、安藤サクラ、佐々木蔵之介らが脇を固め、アクション超大作としても人間ドラマとしても見応えのある作品となっている。

現在開催中の「ロケ地周遊作戦!」は、本作の撮影が行われた茨城県、浜松市、岡谷市の3地区合同で行われているスタンプラリーイベント。茨城県が4か所、浜松市と岡谷市が2か所の全8か所ラリーポイントがあり、スタンプ1つのみでも『ゴジラ-1.0』オリジナルステッカーがもらえる。各地区内で全スタンプをゲットすると、オリジナルコースターがもらえるほか、複製原画やサイン入りポスターなど、ゴジラファン垂涎の豪華景品が当たる抽選への参加ができる応募ステッカーが手に入る(全3地区で最大3口応募が可能)。

■運動場でゴジラ襲来シーンを撮影!?茨城県のロケ地をチェック

そんな「ロケ地周遊作戦!」から、まずは茨城県のラリーポイントを紹介しよう。茨城県筑西市の「下館総合運動場」でロケを行ったのは、物語前半のハイライトであるゴジラが銀座に襲撃するシーン。圧倒的なゴジラの脅威におののき、ド迫力のゴジラに踏みつぶされそうになりながら必死に逃げる人々の姿や、悲痛な表情を浮かべる敷島と典子が印象的だ。訪れた際には、ゴジラから逃げるように走ってみるのも一興だろう。ラリーポイントとなるのは、運動場から車で10分ほどの距離にある「道の駅グランテラス筑西」で、1月8日(月・祝)まで駆逐艦「雪風」のロケセットを再現した展示など、特別企画展も実施されている。

同じく茨城県の笠間市にある「筑波海軍航空隊記念館」では、「海神作戦(わだつみさくせん)」に向けた作戦考案をする会議室のシーンが撮影された。ゴジラとの決戦に向けて緊張感が高まるシーンであるが、実は山崎監督の過去作『永遠の0』(13)でも撮影に使われている。1938年に建てられた庁舎であり、現在も当時の姿が残っているという独特の雰囲気を体感してほしい。ここではスタンプラリーのほかにも、1月31日(水)まで小道具や衣装が展示されている『ゴジラ-1.0』展も開催中。また別のラリーポイントとなる「茨城県庁展望ロビー」へは、記念館から最も近いので、ラリーポイントの制覇をする際は最適な移動方法を調べたうえで挑んでほしい。地上108mにロビーがあるため、本作に登場するゴジラの倍以上の高さではあるが、ゴジラ気分で関東平野を一望するのもおすすめだ。

茨城県稲敷郡にある「鹿島海軍航空隊基地跡」では、敷島と元海軍航空隊の整備部、橘宗作(青木崇高)が互いの熱い想いをぶつけた名シーンが撮影された。この跡地は国内唯一の希少な戦争遺跡群公園として、昨年の7月より一般公開もされており、毎週土日に開園されている。ここから約8kmの距離にある「みほふれ愛プラザ」がラリーポイントとなっており、『ゴジラ-1.0』茨城コラボグッズの自販機が設置されているので要チェックだ。

■海上シーンが撮影!実物大足跡やロケ地クルージングも楽しめる浜松市

敷島たちが乗船している「新生丸」の前に、突如ゴジラが現れるというスリリングなシーンなど、ゴジラと人間が対峙する海上シーンのロケが敢行されたのは、浜松市の浜名湖と天竜川沖の遠州灘。Z世代のCGクリエイターが海のシーンを手がけたことで話題となったが、VFXの海と実際の海を見比べてみるのも楽しみの一つだろう。

東名⾼速道路にある「EXPASA浜名湖」とJR浜松駅構内にある「浜松市 観光インフォメーションセンター」の2か所がラリーポイントとなる。「EXPASA浜名湖」では特別企画も実施されており、15.2m×11.1mの実物大ゴジラ足跡の展示や、土日祝日には「EXPASA浜名湖」発着で漁船によるロケ地クルージングを体験することができる。

■製糸業のシンボル「旧岡谷市役所」で撮影されたのは?

最後に紹介するのは、長野県岡谷市にある「旧岡谷市役所」。1階では敷島が橘の住所を尋ねる復員局のシーン、2階では駆逐艦「雪風」の元艦長である堀田辰雄(田中美央)がリーダーとなって開かれた「巨大生物對策説明会」のシーンが撮影された。残念ながら外観のみ見学可能となっているが、当時の姿が残されている建物を探していた山崎監督が、庁舎の写真を見て興味を持ったというレトロな造りを味わえる。

岡谷市のラリーポイントとなるのは、庁舎の目の前にあるショッピングモール「レイクウォーク岡谷」と、徒歩10分ほどにある映画館「岡谷スカラ座7」の2か所。「岡谷スカラ座7」ではもちろん『ゴジラ-1.0』が上映されているので、訪れた際には合わせて本作を鑑賞するのもいかがだろうか。

なお「ロケ地周遊作戦!」のスタンプラリーは、1月31日(水)まで開催となる。本作を観た余韻を胸に、ぜひ『ゴジラ‐1.0』の聖地となった茨城県、浜松市、岡谷市を巡ってみてほしい。

文/山崎伸子