カリブ海の小国ジャマイカで生まれ、世界中の希望となった伝説のアーティスト、ボブ・マーリー。彼の知られざる激動の生涯を描く『ボブ・マーリー:ONE LOVE』(5月17日公開)より、各国のミュージシャンたちが愛を歌う特別映像が到着した。

全世界アルバム売上7500万枚以上を売り上げ、歴史的名盤と言われるアルバム「エクソダス」は米タイム誌により「20世紀最高の音楽アルバム (the best music album of the 20th century)」に選出。そのほかにも、グラミー賞の特別功労賞生涯業績賞受賞に殿堂賞の複数受賞、“Hollywood Walk of Fame"への殿堂入り、国連平和勲章受賞など数々の偉業を残し、ジャマイカ初の世界的トップスターが生みだした、愛と希望に満ちた音楽はいまもなお世界中の人々に影響を与え続けている。

だが、白人と黒人のハーフとして生まれた出自や、国内の政情不安と政治家の思惑にも翻弄されてしまう国民的英雄としての苦悩、さらに欧米がすべての中心だった当時の音楽業界において稀有な第三世界出身アーティストとして世界的な成功を収める奇跡のサクセスストーリー、そして妻リタとの絆など、彼の音楽とメッセージの背後にある物語はあまり知られていない。本作は、ボブが愛した妻のリタ、息子のジギー、娘のセデラがプロデューサーとして参画した、“正真正銘のボブ・マーリー映画”となっている。

監督を、『ドリームプラン』(21)を手掛けたレイナルド・マーカス・グリーンが務めるほか、脚本にはグリーンに加え、テレンス・ウィンター、ザック・ベイリンらが参加。主人公ボブ・マーリー役には、『あの夜、マイアミで』(20)にてマルコムXを演じ、高い評価を得たキングズリー・ベン=アディル。ボブ・マーリーの妻、リタ・マーリー役には『キャプテン・マーベル』(19)や『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』(21)などハリウッド大作映画への出演が続く注目の俳優ラシャーナ・リンチ。実力派キャストが渾身の熱演を披露していることはもちろん、妻のリタ、ボブとリタの実子であるセデラ・マーリーとジギー・マーリーなど、ボブ本人を誰よりも愛し、近くで見守ってきた家族たちが監修に加わっている。

全米では公開から2週連続の首位を獲得(Box Office Mojo調べ)し、イギリス、フランスでは公開初日興収が『ボヘミアン・ラプソディ』(18)を超え、音楽伝記映画史上最高の初日興収をたたき出すなど世界中で記録づくめの“ONE LOVE”旋風が、いよいよ日本上陸目前。5月14日(火)には、キャスト&スタッフが来日して行われるジャパンプレミアが予定されており、5月17日(金)には日本での劇場公開が開始される。

各国の政情不安などが連日報道されたり、一人ひとり目の前の人生に悩みながら日々生活している現代社会においても、国境も人種も言葉の壁もすべてを超えて響き渡るボブ・マーリーの歌は、まさにいまこそ世界に必要なものと言えるだろう。公開を目前にした今回、一足早く本作の公開を迎えた国々を中心に、映画の、そして表題曲「ONE LOVE」の旋律とエナジーに心震わされ、ストリートからもたくさんの歌声が聞こえてくる様子を収めた特別映像が到着した。


ボブ・マーリーの実の息子であり自身もグラミー賞常連アーティスト、本作にも音楽監督として携わっているスティーブン・マーリーが「『ONE LOVE』が発売されて40年になるが、いまも世代を越えて歌い継がれている。僕たちと一緒に歌って、皆でひとつになろう」と呼びかけると、欧州、北米、中南米といたるところで、ミュージシャンたちそれぞれの思い思いの表現で「ONE LOVE」が歌われていく。みな笑顔で、喧騒を忘れるような穏やかさに包まれ最高の気分にさせてくれる映像。ボブは日ごろから音楽の持つ力が人々をひとつに団結させ、“気分を上げる”ことにも役立つと感じていたといい、まさしくそれを証明するような仕上がりだ。

劇中でも、その信条が築かれ人々が共鳴していった当時の様子が描かれており、グリーン監督も「彼は、自分の音楽を聴いてくれる多くの人々と、時間や思いを分かち合いたかった。早すぎたボブの死だが、世界には音楽のギフトを遺してくれた。しかし、彼の真実の姿や葛藤は誰も知らない。この作品は、ボブ・マーリーや彼の音楽を知らない子どものために製作したから、新しい世代にもファンが生まれてくれたらいいなと思う」と力を込めている。

ボブが亡くなって以降に生まれたであろうミュージシャンもこの映像に多数映しだされており、この映画の公開によってますます若い世代へと広がっていくはず。ボブが生みだし、世界をつないでいく珠玉の音楽の数々を、ぜひ劇場で味わってほしい。

文/サンクレイオ翼