戦国時代の武田氏を縁にした伊那市と山梨県韮崎市の文化交流会が8日、伊那市高遠町の高遠城址公園で開かれた。今年は交流会が始まって50周年の節目の年。両市の教育委員会や文化団体、地元高校生ら約110人が参加した。相互に芸能を披露したり、高校生が歓迎のパフォーマンスをしたりして、両市のつながりを一層強く確かめ合うひとときとなった。

 韮崎市は武田勝頼が新府城を築き、旧高遠町は弟で織田軍と戦った仁科信盛(盛信)が最期を迎えた地。交流会は1974年から続き、春と秋の年2回、行き来している。

 初めに高遠高芸術コース2、3年生約20人が箏の演奏や書道パフォーマンス、合唱部による歌を届けて韮崎市側の一行を歓迎。引き続き、園内の新城藤原社で「奉納の儀」を執り行った。高遠閣に会場を移した芸能披露では韮崎市文化協会の「正調 武田節」などが登場。最後は「高遠音頭」で締めくくった。

 韮崎市の堀川薫教育長と伊那市の笠原千俊教育長は、伊那市側が韮崎市側に昨年贈ったタカトオコヒガンザクラが順調に成長していることを紹介しながら「歴史と桜を通じた文化交流をこれからもずっと続けたい」「高遠との関わりを大事にしてくれてありがたい」と話していた。