文部科学省は26日、博士号取得者を3倍に増やす構想「博士人材活躍プラン〜博士をとろう〜」を始めると発表した。博士人材のキャリアパスの多様化や大学院改革、学生支援など44の施策を講じる。文科省は優れた博士人材の昇格ペースを加速する。産業界には採用拡大と処遇改善を働きかける。人口当たりの博士号取得者数を世界トップレベルに引き上げる狙いだ。

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法学博士と商学博士を持つ盛山正仁文科相肝いりの政策として始める。キャリアパスの多様化策としてジョブ型研究インターンシップ(就業体験)を柔軟化し、雇用した博士人材の人件費の一部を税額控除する研究開発税制の活用を広げる。総務省と連携して自治体での博士人材の実態を調べる。活躍事例を周知し、採用や環境整備を促す。科学技術教育に力を入れる高校では「博士教諭」としての採用も促す。

大学院改革では世界トップ水準の教育拠点を構築する。生活費相当の資金支援を受ける博士課程学生数をを2018年比で3倍に増やす。総施策数は44になる。

文科省自体は総合職採用者の1割以上を博士人材とし堅持するなど、五つのアクションを走らせる。その上で産業界に従業員の博士号取得支援などの七つのアクションを大臣名で依頼した。盛山文科相は「文科省は博士を目指す学生を全力で応援する」としている。