ついに千両役者が本領発揮だ。現地4月2日に行われたフィリーズ対レッズ戦は、9対4でフィリーズが快勝。勝利の立役者となったのが、4打数3安打3本塁打(!)と大暴れした主砲のブライス・ハーパーだ。

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 これまでにMVPを2度受賞しているMLBきっての強打者も、スプリング・トレーニングで背中を負傷したこともあって、今季は開幕から苦しんでいた。ブレーブスとの開幕2連戦は計6打数無安打(2四球)、1日のレッズ戦も5打数無安打と抑え込まれ、13打席にわたって安打がない状態が続いていた。

 だが、眠れるスラッガーもこの日ついに目覚める。まず、初回の第1打席。グラハム・アッシュクラフトを相手に2ストライクと追い込まれながらも、4球目の真ん中に入ってきたカッターを強振。打球は本拠地シチズンズ・バンク・パークのバックスクリーン左に突き刺さる先制本塁打となった。
  さらにチームが同点に追いつかれた後の4回、初球低めのスライダーをハーパーのバットが捉える。打球はライナーであっという間にライトスタンドへ突き刺さり、フィリーズは再び勝ち越しに成功。この一発で通算1000打点に到達した。

 そして極めつけは7回の第4打席だ。1死満塁の大チャンスで、ハーパーはフルカウントから内角低めのボール球を“悪球打ち”。すくい上げられた打球はまたもライトスタンドに突き刺さる満塁ホームランに。これには現地実況も「ソロ、ソロ、グランドスラム! ハーパーの1試合3本塁打だ!」と興奮を隠せなかった。

 前日まで.154だったOPSは、この日の猛打で一気に1.094まで急上昇。開幕3連敗と振るわなかったフィリーズも、主砲の覚醒で今季初勝利を手にした。

構成●SLUGGER編集部

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