現地時間5月16日に行なわれたラ・リーガ第36節で、レアル・ソシエダはバレンシアを1-0で下し、6位に浮上するとともに、5シーズン連続での欧州カップ戦出場を確定させている。

【関連記事】「全ての注目が日本人選手に集まっていた」古巣マドリー相手に躍動した久保建英に現地メディアは軒並み高評価! 本拠地レアレ・アレナでの一戦は開始3分で動いたが、アンデル・バレネチェアの左サイドからのクロスをファーサイドで身体を投げ出しながら、左足ダイレクトでゴール前に浮き球のパスを送り、アンドレ・シウバのヘッド弾をお膳立てしたのが、3試合ぶりにスタメン復帰を果たした久保建英だった。

 これがこの試合唯一のゴールとなったことで、決勝アシストを記録して勝利の立役者のひとりとなった背番号14は、90分間でボールタッチ68回(全体5番目)、パス44回(成功36回)、キーパス3回、ドリブル3回(成功2回)、空中戦1回(勝利)、タックル3回(成功3回)、ボールロスト2回、ファウル2回というスタッツを記録し(データ専門サイト『WhoScored.com』より)、ドリブルやパスで幾度か見せ場を創っている。

 彼の今季4つ目のアシストに対しては、多くの現地メディアが高評価を下しており、マドリードのスポーツ紙『MARCA』は「バレネチェアの見事なクロスがファーサイドに入ると、久保は身体を投げ出して足を届かせ、絶妙なアウトサイドでのタッチで、ボールをゴール前の狭いスペースへ。久保のタッチは素晴らしい」と称賛。また、「イマノル・アルグアシル監督は前節からスタメンを刷新し、ポルトガル人選手のゴールで成功を収めた。そして、彼に素晴らしいパスを出したのはもうひとりの“新戦力”久保だった」と綴った。

 一方、『AS』紙は3点満点の採点で両チーム最高タイの「2」を与え、「久保が巧みな足技でボールがゴールラインを割るのを救った」「バレネチェアの長いクロスの落下点にマークから逃れた久保が到達し、強引に飛び込んで狭いエリアにボールを入れたことで、A・シウバは難なく頭で先制点を奪えた」と彼の貢献ぶりを伝えた他、「そのクロスがバレンシアに脅威を与えた」と、他のプレーについても言及している。

 また同メディアによる個別評価も、「A・シウバのゴールの半分は、通常ならライン外に出てしまうボールを久保が生かしたことで生まれた。最初はおとなしめだったが、最終的にバレンシアの守備陣にとっては厄介な存在となり、彼らはファウルでしか久保を止められなかった。日本人選手は自身のレベルを取り戻した」と、ポジティブな内容となった。
  続いて、バルセロナのスポーツ紙『MUNDO DEPORTIVO』は「久保はギリギリのところでボールに飛び込んだ」とアシストの場面を振り返った他、22分の鮮やかなドリブル突破を「素晴らしい個人プレー。久保が2人をかわして突進した。この日本人選手は、この瞬間を楽しんでいる」と伝え、この試合のMVPに選定して、さらに以下のような寸評でも彼のプレーを「アクロバティック」と表現して賛辞を贈った。
 「A・シウバへのアシストは、絶対的な才能によるものだ。ボールがライン外に出てしまうのを防ぐため、アクロバティックな姿勢で飛び込み、アウトサイドでパス……。彼は攻撃を仕掛け、ドリブルで仕掛け、アルバロ・オドリオソラにパスを送り、バレンシアが攻勢の際には守備にも努めた。そのパフォーマンスも向上している」

『SPORT』紙も「素晴らしいアシスト」と称え、日刊紙『EL PAIS』は「久保はバレネチェアからクロスが入るのを信じて走り、ボールの落ち際でマイナスに折り返し、A・シウバが無防備の状態で押し込めるようにした」と、それぞれ久保の決定的な仕事を報じている。

 地元バスクの日刊紙『noticias de Gipuzkoa』は、「バレネチェアのクロスが長すぎたが、久保の難しいタッチが彼を救った」として、このプレーを「ミラクル」と表現。個別評価では、10点満点でチーム最高タイの「7」で、最優秀選手はミケル・メリノを選定したものの、久保に対しても賛辞が並んだ。

「アシストのプレーを見るだけでも、チケット代を支払うに値した。前の週よりもはるかにアクティブでエネルギッシュだったが、オドリオソラとの連係には苦労した。久保は、決してトライすることを止めなかった。そしてこの試合で、彼は相手選手から蹴られまくった」

 最後に、サッカー専門サイト『EL DESMARQUE』は、「久保、ソシエダの真の悪魔」と見出しを打ち、「敵陣ペナルティーエリアでは、左SBディミトリ・フォルキエを翻弄し続け、メリーノ、オドリオソラ、バレネチェアと連係して頻繁に攻撃を生み出し、レアレ・アレナの観客を興奮させた」と、そのプレーを総括。個別評価の採点は及第点の「6」止まりで、こちらはネガティブな面にも言及している。

「到達不可能に思えたボールに追いつき、A・シウバのシュートにボールが繋がり、ゴールが生まれた。彼には何かを証明したいという強い意欲が見られたが、それがゆえに時折個人プレーに走りすぎた。それでもソシエダの攻撃は、彼を通して展開された」

構成●THE DIGEST編集部

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