『西遊記』をベースにした中国発ファンタジーアクションドラマ「凌雲志〜愛と正義に生きた英雄〜」が、CS衛星劇場にていよいよ日本初放送される。2月15日(木) 夜10時より第1話を先行公開後、3月18日(月)に本放送がスタートする本作。誰もが熱狂できる明快なストーリーに加え、日本初放送を前に今あらためて注目を集めているのが、美しい戦神・楊岩を演じる赤西仁の存在だ。本記事では、赤西もメインキャストの1人として本格アクションに挑んだ壮大な冒険ストーリー「凌雲志〜愛と正義に生きた英雄〜」の魅力に迫る。

■妖怪になった猿の活躍を描く冒険譚

「凌雲志〜愛と正義に生きた英雄〜」は、映画『神探大戦』(2022年制作、日本では2024年公開)にも出演している人気スター、レイモンド・ラム演じる“猿”の磐石が言葉を話す妖怪となり、数々の困難を乗り越えて英雄に成長していく姿を描いた冒険ストーリー。

磐石は修業の過程で、チャーミングな少女の妖怪・金糸雀(ジャン・イーイー)、戦神の運命を負った孤高のヒロイン・楊嵐(ジャン・モンジエ)、解空祖師の天真らんまんな弟子・風鈴(チェン・イエンチュウ)らと知り合い、助け合いながら成長していく。

そんな本作で、力弱き妖怪たちを救おうと天帝に反旗を翻す天界の武将・楊岩を演じているのが赤西だ。心優しい楊岩は、母の命を奪い妖怪たちを軽視する天帝とその取り巻きたちの仕打ちに納得できず、立ち上がる。だが、たったひとりの妹・楊嵐を人質に取られ、板挟みに苦しんだ末に天帝にひざまずく。憎むべき仇に志半ばで恭順しなければならない楊岩…。その苦悩を、赤西がドラマチックに演じている。

■中国での活動を拡大させる赤西仁も6年越しの公開に「Finally!!」

実は同作品は2017年に製作されたもので、およそ6年を経た2023年春に中国で公開された。日本初放送となる今回は、日本語字幕で視聴できる貴重な機会だ。

赤西演じる楊岩は、そんな本作のメインキャラクターの1人。2014年に上海単独公演を行い、本格的に中国での活動をスタートさせた赤西。2015年12月に中国・北京で開催された“2016 愛奇芸尖叫之夜"にて、日本人歌手としては初となる「アジア人気アーティスト賞」と「年度音楽大賞」の2つの賞を受賞。2016年には中国人気ネットドラマ「真夜中のタクシー2」にスペシャルゲストとして出演したほか、「第20回China Music Award(CMA)」で『Asian Most Popular Japanese Artist』(アジアで最も影響力のある日本人アーティスト賞)を受賞。中国での活動を拡大させてきた。

そんな中、2017年に製作されたのがこの「凌雲志〜愛と正義に生きた英雄〜」。ハリウッドの特撮チームも参加し、中国国内で大きな話題を呼んだ同作で、赤西も天界の武将役として本格アクションに挑戦している。赤西も公開を待ちかねていたようで、2023年春の公開スタート時にはWeiboアカウントで「Finally(やっと)!!」とつぶやいたほどだ。

毎年数多くのアクション作品が公開される中国だが、そんな中でも多くの中国の視聴者たちをも魅了した同作。わかりやすいストーリーもあってか、中国では男性視聴者の割合が多かったという。主人公・磐石の冒険はもちろん、赤西演じる武将・楊岩が活躍するシーンも多く、アクション要素たっぷりのストーリーに魅力を感じる男性視聴者の支持を集めているようだ。特に、1話冒頭で描かれる赤西の迫力満点の剣さばきは必見だ。

■個性的で人間味あふれるキャラクターたちが作品を魅了

主人公の猿・磐石役で底抜けに明るいキャラクターとダイナミックなアクションを見せている主演俳優レイモンド・ラムをはじめ、共演陣も魅力的だ。

赤西演じる楊岩の妹・楊嵐役のジャン・モンジエは、2020年の主演作「あなたのお気に入りになります」でも注目を集めた人気女優。ツンデレ御曹司とバツイチアラサー女性が織りなすこの作品で、幸せな結婚から一転、バツイチ&無職の“崖っぷち雑草女子”となるヒロイン・シュンシュンのシンデレラ・ラブストーリーを痛快に演じた。今作「凌雲志〜愛と正義に生きた英雄〜」ではそんなラブコメから一転、自分の信念に基づいて行動する女神をクールに演じている。赤西とのコンビで見せる楊岩との兄妹愛も見どころだ。

磐石が初めて友達になる金糸雀役のジャン・イーイーは、大きな瞳が印象的な美女で、子役出身の若手注目株。妖怪に変異したばかりで右も左もわからない磐石の前に現れ、磐石の力になりたい、とあれこれ世話を焼く。磐石のために大蛇のいるほら穴へ薬草を取りに行くなど、可憐な見た目とは裏腹に度胸は満点。磐石の冒険のスタートを支える、チャーミングで愛嬌たっぷりのキャラクターだ。

個性的で人間味あふれるキャラクターたちが躍動し、愛と正義を胸に成長していく姿が清々しい「凌雲志〜愛と正義に生きた英雄〜」。見ごたえある本格アクションと演技巧者たちによるコミカルなやり取りのギャップも楽しい一作だ。

◆文/酒寄美智子