格闘技イベント「RIZIN」の榊原信行CEO(60)が11日、心不全のため死去した大相撲の元横綱でプロレス・格闘技でも活躍した曙太郎さん(享年54)を偲んだ。

 この日行われた会見の冒頭、榊原CEOは「日本の格闘技界に大きな貢献を果たしてくれた曙さん…。2015年旗揚げではボブ・サップとの再戦をシュートボクシングルールでたたかってくれたことを記憶しています」と視線を落とした。曙さんはRIZIN旗揚げ直後の2015年大みそか大会に参戦してボブ・サップと再戦し話題になっただけに「旗揚げに出てもらえたことは光栄だし誇りに思っています。心からご冥福をお祈り申し上げます。残されたわれわれで格闘技界が盛り上げられるように精進したいと思います」と話した。

 その後の囲み取材でも榊原CEOは「ショックです。旗揚げの時に海の物とも山の物とも分からないRIZINに気持ちよく参戦してくれて…。〝大みそかと言えば曙〟というのをRIZINの中でも示してくれた。病気を患われてしまった後も、大砂嵐を親身に心配したりしてくれて」と振り返る。曙さんがK―1に初参戦した2003年当時、榊原CEOはライバル団体「PRIDE」のトップだった。当時を振り返り「敵ながらあっぱれと思いましたよ。K―1の石井(和義)館長以下が曙を口説いてボブ・サップの前に立たせるという…。ジェラシーを感じつつ『一本取られたな』という感じです。そこにアプローチする発想がなかった」と苦笑い。その後、PRIDEを主催するドリームステージエンターテインメントによるプロレスイベント「ハッスル」に参戦したこともあり「僕らはハッスルでもお世話になっているので、当時のことを思い出してしまいますよね。おおらかな人でした。オープンマインドで、来る者を受け入れてくれる方だった。だからいろんなチャレンジや決断ができたんだろうなと思います。偉そうにするところがないし、常に前向きな人だったので、元気も勇気ももらって楽しく仕事ができたなと思います」と話して冥福を祈った。