今季の立浪竜はしぶとさが違う。中日は16日のヤクルト戦(バンテリン)で、2点ビハインドの8回に一挙3点を挙げて3―2の逆転勝利。貯金「5」でガッチリと首位をキープした。

 ヒーローは、8回に決勝タイムリーを放った細川成也外野手(25)だ。「打席に入る時に自分が決めてやろうと思っていたので、打てて良かったです。チームが勝てたのでそれが1番です」とお立ち台で語り、スタンドの竜党から大歓声が送られた。

 4番・中田翔内野手(34)が凡退した直後の殊勲打には、試合後の立浪監督も「今日は(中田)翔がチャンスで力んで結果出なかったんですけど、よくカバーしてくれたと思います」と細川の勝負強さを絶賛した。

 貧打解消のため打点王に3度輝いた中田を補強した中日だが、心配されていたのはその後を打つ5番打者だった。ポイントゲッターの中田が徹底マークされるのは必至。それだけに「中田の周りを打つ打者が大事」というのが首脳陣の共通認識となっていた。

 5番を任されている細川は2日の巨人戦(バンテリン)で今季初勝利をもたらすサヨナラ本塁打を放つなど、中軸の役割をしっかりと果たし、リーグトップタイの3本塁打を記録。「中田さんが抑えられても細川が返してくれる」と試合を重ねるごとにナインの信頼度も高まっている。

 指揮官も「なかなか長打が出ないので、こういう展開の試合が多くなる。競って勝っていけるように。今日の勝ちは本当に大きい」とコメント。4番・中田、そして5番・細川の〝強竜コンビ〟は首位街道を突き進むチーム全体にとって、心強い存在となっている。