ドバイゴールデンシャヒーンに臨むリメイクは絶好の動き
ドバイゴールデンシャヒーンに臨むリメイクは絶好の動き

【中東制圧・インサイドレポート】
 どうも、新谷功一厩舎で調教助手をしています松田全史です。GⅠドバイゴールデンシャヒーン(30日=メイダン、ダート1200メートル)に挑むリメイクの最終追い。動きは抜群でした。まるで弾丸のよう。このレースに出走する外国馬の陣営からも「オマエの馬がいなかったら、ウチので勝てるのに」と。存在を認められて挑む大一番。気持ちも高まっています。

 とはいえ、サウジ・リヤドダートスプリント制覇からの1か月は本当に難しく、調整に悩み続ける日々でした。それは僕らだけでなく、サウジから転戦してきた外国馬も同様だったと思います。でも、彼らは普段からドバイに近い馬場で調整をしている。そのアドバンテージを感じることもあったので、彼らがどのように調整しているのか? その一つひとつをしっかりとチェックし、いいなと感じる部分をかみ砕いて、大事と思えるところだけを切り抜いて…。

 幸いにして僕には貴重な仲間がいて、それが音無厩舎のデルマソトガケを担当する瀬川君。上がり運動のほとんどをデルマソトガケと一緒にさせてもらっているのですが、あの馬もサウジからの転戦で、昨年は米国遠征の経験もあります。感性が一致するんですよね。ドバイの馬場で攻め抜けない難しさ、攻めないと勝てない難しさ。そのギリギリのラインをどうやって調整するのか? 毎日のように意見を交換し、2人でアイデアを出し合いながら、馬との接し方をアップデートしてきました。難しい時間ではありましたけど、有意義でもあった1か月でしたよ。僕らが目指すものは〝結果〟のみですが、仮にそれが望むものではなかったとしても、この経験は貴重なものだったと現在は思います。

理想の海外遠征パターンとは?

ドウデュースの前川助手(左)とツーショット
ドウデュースの前川助手(左)とツーショット

 レース直前になり、日本から多数の遠征馬がドバイへとやってきました。これは僕が常に思っていることなのですが、日本で調整のほとんどを終わらせて、現地では軽めの最終調整──。これこそが理想の遠征パターンです。僕らがドバイでの調整に難しさを感じる理由の背景には、日本の調教施設が非常に優れていることがあって、そこでなら思った通りの自由自在な調教ができる。輸送の問題が軽減された現在において、早めの現地移動にプラス材料はほとんどありませんよ。それはドバイにやってきた日本馬の姿を見れば、誰にでも理解できるはずです。

 例えば、GⅠドバイシーマクラシック(芝2410メートル)に出走するリバティアイランド。他の馬とは全く違う馬っぷり。この仕事をしている人間であれば、一度は乗ってみたいと思うほどの雰囲気をドバイの地でも発していますし、海外関係者の注目も集めていますよ。でも、それ以上に見た目がフレッシュで馬に落ち着きがある──。こちらのほうが大きいと僕は思います。GⅠドバイターフ(芝1800メートル)に出走するドウデュースも同様。あの馬はリメイクと同じ厩舎に入っていて、担当する前川助手は角居厩舎時代に同じ釜の飯を食べた間柄。毎日のように会話をしていますが、彼に話を聞かなくてもデキの良さがわかるほどの体の張りをしています。こちらも環境の変化に動じず、落ち着いていますよ。もっとも、ドバイには超一流の馬ばかりが来ていて、馬を連れて来ている調教助手も誰もが認める一流どころ。腕比べのようなムードもあります。メジャーリーグのオールスターみたいなものですよね。今年も何頭の日本馬が勝つのか。そんな一日になる気がします。

ドバイワールドカップで気になる日本馬

ウィルソンテソーロの小手川調教師(右)と原優介騎手はこの笑顔
ウィルソンテソーロの小手川調教師(右)と原優介騎手はこの笑顔

 ちなみに僕がこっそりと伝えたいのはGⅠドバイワールドカップ(ダート2000メートル)に出走するウィルソンテソーロの気配の良さ。やっぱり日本から来た馬はフレッシュ。ここの馬場も合っているんじゃないかな、というフットワークをしていましたよ。あまりに気配がいいので、手綱を取る原君にもビシッと気合を入れておきました! あの年齢でドバイワールドカップを勝ってしまうなんてことはないだろうな…と思いつつ、このビッグレースを最初に勝ったヴィクトワールピサの調教に乗っていたのはオレだぞ! そんなことも言ってみたりして。僕の人生の分岐点にもなった大事な場所で、今年も頂点を目指します。応援してください。(新谷厩舎・調教助手)

☆松田全史(まつだ・まさふみ)栗東・新谷功一厩舎所属の調教助手。森秀行厩舎所属時はアグネスワールド、エアシャカール、エアトゥーレで多くの海外遠征を経験。角居厩舎所属時にもヴィクトワールピサのフランス、ドバイ遠征に帯同し、2011年にはドバイワールドカップ優勝も経験している。趣味はゴルフ。

【東スポWeb読者必見のプレゼント】

 リメイクを管理する新谷調教師から「東スポ読者のためだけ」の特別なプレゼントを提供していただきました。それが写真の「リメイク&松田全史Tシャツ」。感動の勝利となったリヤドダートスプリントのレース後、カメラに向かって見せた松田助手のド派手なアクション。あの瞬間をイラストにした門外不出の逸品です。

【中東制圧・インサイドレポート】ドバイワールドカップで期待できそうな日本馬情報 リメイクはゴールデンシャヒーンへ向けて抜群の動き

「松田さんに内緒で制作しました。本人にはレース直前のドバイで渡します(笑い)」と新谷調教師。この貴重な一品(Mサイズ)を手にできるのは東スポWeb有料会員様1人のみ。レース同日に予定されているユーチューブ・東スポレースチャンネルの「ドバイワールドカップLIVE配信」において、松田助手の盟友である松浪大樹記者が発表するキーワードも必要です。配信開始5分で発表する可能性もあれば、終了5分前に発表の可能性も…。眠気に負けずに視聴した方に幸せが訪れる「面倒だけど突破はしやすい」システム。もちろん、考案者は松浪記者です(笑い)。

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著者:松浪 大樹