フローラステークス2024

[GⅡフローラステークス(オークストライアル)=2024年4月21日(日曜)3歳牝、東京競馬場・芝2000メートル]

 今週から開幕する春の東京開催のオープニング重賞はGⅡフローラS(21日=芝2000メートル)。2着以内に与えられるオークス優先出走権を狙って、多くの素質馬が集まった。そんな中でも未勝利を勝ち上がったばかりのバロネッサも秘める能力では引けを取らない。気鋭の田中博康厩舎の期待馬が一気に牝馬戦線の勢力図を塗り替える。

 今年は連勝中のクリスマスパレードやコスモディナーなど実績ある2勝馬が中心になりそうだが、もちろん1勝馬にもチャンスはある。昨年ゴールデンハインド、22年エリカヴィータ、21年クールキャットと、最近は1勝馬が制すことも多い重賞であり、成績やキャリアよりも資質優先のスタンスが正解だ。

 注目はバロネッサだ。前走の東京未勝利戦は、後方からだったデビュー2戦とは異なり2番手を追走。あっさりと抜け出して最後は流す余裕もあった。勝ち時計の1分46秒2は、同日の共同通信杯より1秒8速いタイム。もちろんペースがまったく違い、単純比較はできないにせよ、優秀な勝ち時計だったことは間違いない。

 1週前は美浦南ウッドで5ハロン64・6ー11・2秒の好時計を馬なりでマーク。ここにきての充実ぶりも目を見張るものがある。田中博師は「徐々に大人になって、気性面の危うさが取れてきている。馬体の張りもすごくいい。まだ左右のアンバランスさがある中でも、しっかりと動き切れている」とうなずいた。

 前述のコメントにもある通り心身ともに良化余地は残す中でも「能力的にはこういう舞台で戦えるだけの馬。確実にやれると思います」と師はキッパリ。着実な上昇カーブを描いてきた良血馬がオークスの切符を虎視眈々と狙っている。

バロネッサが牝馬戦線の戦力図を塗り替える
着実に上昇しているバロネッサ

著者:東スポ競馬編集部