厚木市は4月1日、市内全域を3次元化し、各種ハザード情報を重ね合わせた3D都市モデル『あつぎ3Dデジタルマップ』をインターネット上で公開した。市では独自の閲覧ビューアを構築し、誰でも閲覧可能。防災都市づくり計画の取り組みとしての災害リスク情報などの共有をはじめ、今後はまちづくりシミュレーションや商用利用も含め活用を模索する。

今回作成された3D都市モデルは、国の「都市空間情報デジタル基盤構築支援事業」の2023年度採択事業として整備されたもの。マップは市の保有する都市計画図、都市計画基礎調査、航空写真データから市全域の建築物を立体化して構築され、そこに災害リスク情報を重ねることで、行政と市民が災害リスクを共有し理解し合うことをめざす。予算は2523万4千円で半分が国庫補助金となる。

市ホームページからは、市内全域を3D化したあつぎ3Dデジタルマップ(LOD1)と、本厚木駅と愛甲石田駅周辺のみを実空間に近い形で再現した同マップ(LOD2)をはじめ、LOD1に洪水浸水・土砂災害、地震(震度分布)、液状化危険度、内水(浸水)を組み合わせたハザードマップ4種が確認できるほか、市内の走行ビッグデータを活用したヒヤリハットマップを閲覧することができる。

市都市計画課では「今後は防災教育や観光などでも活用していければ。直感で感じられる3Dマップで災害について考えてほしい」と話す。

またデジタルマップを公開するにあたり、市では独自の閲覧用ビューアを整備。これまで県内5市町で同様の3D都市モデルが整備されているが、独自ビューアの整備は県内で初となる。また整備されたデータはデジタル・インフラとして国交省のサイト「プラトー」を通じて公開され、今後はまちづくりの分析やシミュレーション、商用利用を含めた活用が期待される。