認知症に脳梗塞、そしてくも膜下出血の原因となる未破裂脳動脈瘤――。

こうした病気があるかどうかをチェックするのが「脳ドック」だ。健康保険が使えず、費用もけっこうかかる。気になってはいるが、受けるべきか悩んでいる人もいるだろう。

そこで、脳神経外科医で脳ドックにも詳しい金中直輔医師(かねなか脳神経外科院長)に、受けたほうがいい人や年代、そして理由について聞いた。

脳ドックとは、脳に関係するさまざまな病気のリスクを見つけることを目的に行われる健康診断の一種。メインとなるのは、「頭部MRI(磁気共鳴画像診断)」と「頭部MRA(磁気共鳴血管撮影)」などの画像検査だ。

CTとレントゲン、MRIの違い

画像検査というと、X線(いわゆるレントゲン)やCT(コンピューター断層撮影)を思い浮かべる人もいると思うが、何が違うのだろうか。

「MRIは磁気を利用して画像を撮影する検査法で、放射線によって画像を映し出すX線やCTとは撮影法が違います。放射線被曝がないのも特徴です」と、金中医師は説明する。