ゴールデンウイークに全国で最も“ノロノロ”の渋滞が予測されているのが、東京湾アクアラインと首都高湾岸線です。特に春は、GW前から混雑する傾向も。首都高社長も迂回を呼び掛けました。

それは春だから ヤバイ渋滞筆頭「首都高湾岸線」

 間近に迫った2024年ゴールデンウイークも全国で激しい渋滞が予測されていますが、そのなかで最も「通過に時間がかかる」、つまりノロノロの渋滞が予測されているのが、東京湾アクアラインの下りと首都高湾岸線です。
 
 首都高速道路の前田信弘社長も4月10日の会見で、GWに「羽田空港を利用する方にも影響が考えられる」として注意を呼び掛けました。実はGWだけでなく、アクアラインと湾岸線は春に混雑する傾向があります。

 GW期間中、全国的に最も激しい混雑が予測されている5月3日(金)、東京湾アクアライン下り線ではアクアトンネルを先頭とした渋滞が、首都高湾岸線西行きの大井JCT付近まで延び、通過に最大で約3時間20分かかると予測されています。

 これが全国で最も通過に時間がかかる渋滞で、2023年GWよりも激しさを増す見込みです。この日はアクアラインを先頭に湾岸線の東行きとK6川崎線にも渋滞が延び、それぞれ通過に最大約1時間25分、1時間5分かかるとされています。アクアラインに通じる3方向が、完全にマヒする予測となっています。

 こうしたアクアラインを先頭とした川崎側の渋滞は、ふだんから千葉側へのレジャー客が増える土休日の午前を中心に発生していますが、春はこれに潮干狩り客が重なり、ゴールデンウイーク以前から混雑する傾向があるのです。

「主にアクアライン方面からの渋滞車列が、湾岸線の左車線まで延伸しています。さらに右車線・中央車線からの割り込みなども重なり、湾岸線の本線全体に渋滞が発生しています」(首都高速道路)

避ける方法はあるのか。

 湾岸線は、並行して1号羽田線・K1横羽線が通っています。しかし、C2中央環状線が湾岸線にしか接続していない、1号線の東京方面からアクアライン方面へ行けない(大師JCTは東京方面ーアクアライン方面へのランプがない)などの構造もあり、アクアラインへのアクセスは湾岸線の比重がどうしても高くなってしまいます。

 首都高の前田社長は会見で「羽田空港へ向かう方は羽田線の空港西出口の利用も検討いただきたい」と話しました。

 2023年5月3日の実績では、同じ時間に辰巳JCTから湾岸線の空港中央出口へ真っすぐ向かうよりも、1号線経由で空港西出口を使った方が25分早く着いたというデータもあります。しかもこれは、辰巳JCTから箱崎JCT・C1都心環状線経由で遠回りをして1号線を使った場合です。

「首都高は休日の交通量は少なめです。それでも、NEXCOの道路に接続する箇所で混雑する傾向があります」と前田社長。あえて東京都心を経由し、湾岸線をなるべく避ける迂回ルートが吉と出る場合があるわけです。

 それよりも確実な方法は、渋滞する時間帯を避けることです。首都高速道路によると、「土曜日は6時台〜15時台、日曜日・祝日は9時台〜13時台に混雑する傾向」があるといいます。

 ちなみに、湾岸線からアクアラインへ向かう川崎浮島JCTの合流部(アクアトンネル入口の手前)では、2024年1月から通行方法が変更されています。

 湾岸線からの2車線が車線減少することなく、そのままアクアトンネルへ直通するようになり、湾岸線からくるクルマが車線変更をしなくて済むようになりました。逆に、それまでアクアトンネルに真っすぐ直通していた川崎線側は、車線が終了し「右から合流」する構造となりました。

 こうした改良を踏まえてもなお、2024年GWのアクアラインー湾岸線では2023年GWよりも激しい渋滞が見込まれています。「新型コロナ5類以降後で初」となる2024年GWは、全国的にも、昨年より交通量が増大する予測です。