第94回アカデミー賞で国際長編映画賞を受賞した映画「ドライブ・マイ・カー」(2021年)を手掛けた濱口竜介監督(45)の最新作、映画「悪は存在しない」の初日舞台挨拶が26日に都内で行われ、映画監督で主演を務めた大美賀均(35)、俳優の小坂竜士(38)らが登壇した。
農村に浮上したアウトドア施設の建設計画をめぐる地元住民の葛藤を描いた作品。濱口監督が前作「ドライブ〜」でタッグを組んだ音楽家・石橋英子氏と共同企画で制作した。
今作は、第80回ヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞(審査員グランプリ)を受賞。濱口監督は先日までフランスを訪れており、現地で今作を鑑賞したという。「(出演者が)本当にすごいなと思いながら見ていました。一人ひとりが、存在として輝いているという印象を持っています。自分でも感動したので、ぜひ多くの観客に見ていただきたい」とアピールした。
大美賀は当初、今作の制作部でドライバーを務めていたが、急に主演に抜てきされたという。俳優はほぼ未経験だったが、「(撮影前に)ロケ地をいろいろまわって帰って来てから濱口さんから電話があって、『驚かないで聞いてください。出る側に興味がありますか?』と言っていただいた。当然ビックリしたんですけど、こんな貴重な機会はないと思いお受けしました」と、ほぼ即答で快諾したことを明かした。
一方、小坂は、俳優ながら「ドライブ〜」にスタッフとして参加していたという。今作の撮影を振り返り、「(監督は)お芝居をする環境を作るのにすごくこだわっているので、『ドライブ〜』の時に“こういう所でお芝居したいな”と(思いながら)すごく遠くから見ていた。急に実現したのが本当に幸せでした」と感謝した。