アメリカ・ニューヨークのコロンビア大学で反イスラエルデモが激化するなか、数十人が拘束される事態となっています。

■コロンビア大で“反戦デモ”激化

 はしごの付いた装甲車が建物へと近付いていきます。上に乗るのは暴徒鎮圧用の装備で身を固めた警察官。入っていったのは、マンハッタン北部にあるコロンビア大学のホールです。

 コロンビア大学では、ガザへの攻撃を続けるイスラエルに対する抗議デモが起きています。

学生ら
「パレスチナに自由を!パレスチナに自由を!」

 一部の学生は大学の建物を占拠。ニューヨーク市警が強制排除に乗り出したのです。

 ニューヨーク・タイムズによりますと、学生ら数十人が逮捕されました。

 学生らが占拠したのはハミルトンホールと呼ばれる建物。古くは1960年代、ベトナム戦争に抗議する学生らに占拠され、その後も度々、デモの現場となってきた象徴的な建物です。

 ただ、今回のデモでは当初、学生らは芝生にテントを張って抗議を行っていました。それに対して大学側が警察に出動を要請。100人以上の学生らが逮捕されました。

■強制排除も“抗議デモ”なぜ拡大?

 ただ、それをきっかけにさらにデモは拡大し、建物の占拠にまで至りました。また、他の大学へも抗議活動が波及しています。

抗議参加者
「学生らが停学や逮捕のリスクを冒して抗議するのはコロンビア大の虐殺への関与を終わらせるためです」

 学生らは大学に対してイスラエル関連の投資をやめるよう要求しています。しかし、大学側はこれを拒否。キャンパス内で反ユダヤ主義的な言動や脅迫が起きていると主張しています。

 ただ、抗議参加者にはユダヤ人もいます。

抗議参加者(ユダヤ人)
「私はユダヤ人の学生として、パレスチナ人の命や苦しみに対する心配を示すことが重要だと思っています」

 去年10月以降、ガザでは3万4000人以上が死亡し、その数は増え続けています。

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