キングレコード11年ぶりの期待の新人・小山雄大が4月10日に『道南恋しや』(C/W『椿咲く島』)でデビューする。演歌に目覚めたのは2歳のころ、4歳から民謡を習い始め、「道南口説節全国大会」など、数々の民謡大会で優勝。2016年には『NHKのど自慢』でグランドチャンピオンにも輝いた逸材だ。デビューを目前に控えた小山に、歌手に至るまでの道のり、これからの歌手活動への意気込みから特技のマジックの話まで語っていただいた。


――デビューおめでとうございます。今の気持ちを聞かせてください。

子どもの頃からずっと演歌歌手になりたいという夢を追ってきましたので、すごく嬉しい気持ちですし、これまで支えてくださった方々や僕が歌手になることを応援してきてくれた母に恩返しできるように、頑張っていかなくてはという気持ちでいっぱいです。

――デビューが決まったという知らせを受けた時は、どんな心境でしたか。

4月10日にデビューが決まったという知らせを受けたのは、(事務所社長の)松前ひろ子先生からのLINEでした。もう言葉に出来ないほど嬉しくて、これまで頑張ってきて良かったと心から思いました。母にもすぐに報告しました。

――デビュー曲、『道南恋しや』についてお聞きします。まず、最初に曲を聴いた時の印象から教えてください。

実はこの『道南恋しや』は、2年程前に僕の歌の先生でもあり作曲もしてくださった弦哲也先生から頂いていて、それ以来ずっと練習してきた曲だったんです。作詞はさわだすずこ先生です。最初に聴いた時は歌詞に出てくる地名が自分にとって縁のある土地ばかりで、すごく馴染みやすい歌だと思いました。

――おっしゃるとおり、北海道の道南地方の地名がたくさん出てきますが、小山さんは道央の札幌のご出身ですよね。

そうなのですが、歌詞に出てくる登別は可愛がってくれた、じいちゃん、ばあちゃんの家がある場所ですし、江差は民謡の大会で優勝したところ、奥尻は僕が初めて三味線を生で聴いて感動したところです。もう全部思い出が詰まっている土地ばかりなんです。

――望郷の思いを歌っていますが、ご自分も北海道から上京してこられたし、等身大の歌でもあると思います。歌っていて感情を乗せやすいのではないですか。

思い出のつまった土地ということもありますし、母やじいちゃん、ばあちゃんに対する思いなども湧き上がってきて、素直な気持ちで歌える曲だと思っています。

――この曲を歌っている時はどんな風景を思い浮かべていますか。

やっぱり故郷を思う曲なので、特に「♪あの日 じっちゃと 別れたままの」という3番を歌っていると、「東京で元気にしてるかな」って心配してくれている家族の顔が自然と浮かんできます。え!?初恋の女の子の顔ですか。そうですね、今度は思い出して歌ってみるようにします(笑)。

――出だしのロングトーンの部分で、小山さんの伸びやかな声が心地よく響くのが印象に残りましたが、小山さんは歌うにあたってどんなところをポイントにしていますか。

やはり、故郷への気持ちがないとこの歌は歌えないと思っています。遠い、近いは別としてどなたにも故郷はあると思いますから、僕もそうですが皆さんも故郷の風景を心の中に思いながら歌っていただければと思います。歌い方としては、おっしゃるとおり、出だしの「♪風が〜」の部分のロングトーンがポイントです。このロングトーンは東京と故郷・北海道の長い距離を表しておりまして、一番の聴かせどころだと思っています。

――望郷演歌と言いながら、哀しい感じではなく曲調もメジャーですし、アレンジも明るいイメージに仕上がっていると感じました。

故郷を思うと寂しさもあるけれど、負けないで前を向いて頑張っていこうという感じを出していただいたと思っています。弦先生も、「お前はその笑顔が強みだから、いつも笑顔でいろ。そうすれば幸せがやってくるから」と言ってくださいますし、それもあって前向きになれるような曲にしてくださったのだと思います。

――初めてのレコーディングはいかがでしたか。裏話などあれば教えてください。

レコーディングはですね、とにかく緊張して息が吸えなかったほどでした。歌入れの時は、スタンドマイクの前に立っているのに、自分でハンドマイクを持ったふりをしながら歌いました。お客様の前で歌っていることを想像しながらの方がまだ緊張しませんので。そのいっぱい、いっぱいの様子を奥の部屋にいらっしゃった松前先生たちが御覧になって笑っていたという、そんな裏話がございます(笑)。

――ファンの皆さんがカラオケでもたくさん歌ってくださると思います。小山さんから上手く歌うポイントをアドバイスしていただけますか。

1番の中盤に「♪帰りたい 帰れない」という歌詞がありますが、最初の「帰りたい」のところは強く、次の「帰れない」は少しトーンを落として表現していただけますと、主人公の心情といいますか、気持ちを上手く表現できると思いますので、挑戦してみてください。

――カップリングは弦先生が作詞・作曲された『椿咲く島』です。舞台は南の島ですが、こちらも望郷を歌った曲ですね。

『椿咲く島』を最初に聴かせていただいた時は2番までだったのですが、その後に3番を付けていただきました。3番の「♪母さんごめんよ 心配かけて 笑顔で帰れる その日を信じ」という歌詞にグッときて、歌いながら泣きそうになってしまった思い出があります。

――女手一つで育ててくれたお母さんの苦労を思い起こさせる歌詞だったのですね。

そうですね。歌手になりたいという僕の夢を一番に応援してくれたのが母でしたから。三味線だったり、民謡だったりいろいろ習い事もさせてもらって、お金も大変だったと思いますし、自分の時間なんてなかったかもしれません。全部、自分につぎ込んでくれた母のことを思うと、泣けてきてしまいました。

――小山さんの素顔もご紹介できればと思います。プロフィールでは趣味が民謡、三味線、尺八、マジックとなっています。民謡では数々の大会で賞を獲得されていますね。

4歳の頃に奥尻島のお祭りに行った時に、初めて新田親子さんの津軽三味線の演奏を聴いて自分もやりたいと思いました。三味線を習えるのは民謡教室だというので教室に通い始めました。もともと歌うことが大好きだったということもあってか、初めて体験教室に行った後、親に「次の民謡いつ?」ってしつこく聞くほどだったそうです。三味線は少し大きくなってからということで小学2年から始めました。

――以来、本当に数々の民謡大会でタイトルを取っていらっしゃいますが、一番好きな民謡というと何ですか。

北海道の民謡教室は、日本全国の民謡を教えてくれるのですが、僕が一番得意というか、好きで歌い続けているのは『道南口説節』です。初めて全国大会で優勝した時も「道南口説節全国大会」でしたし、ここぞという大会ではいつも歌っていました。

――『道南口説節』とはどんな民謡か、少しだけ解説していただけますか。

三味線などを弾きながら歌い語る旅芸人の瞽女(ごぜ)さんが歌う民謡で、曲の最初は「オイヤァーサァーエ」から始まるのですが、これは「おばんです」とか「ごめんください」という意味の言葉。瞽女さんは各家を回って玄関先で歌うので、のれんをくぐる時の挨拶が歌詞の由来になったと民謡の先生から教えていただきました。

――その他にもたくさんの大会に出場されていますが、思い出に残っているエピソードはありますか。

どの大会も全部、思い出に残っていますが、毎年8月に開催される「日本民謡協会少年少女大会」が一番大きな大会で、その全国大会にコンディションを持っていけるように頑張っていました。中学2年の時の全国大会で、0.1点差で2位になってしまったことがありました。悔しくて3年の時は、ここで獲らなくてはという崖っぷちに追い込まれたような心境で出場して優勝できましたので、それは思い出に残っています。

――もう一つの趣味は、民謡とは打って変わってマジックとありますが、どんなきかっけでマジックをやるようになったのでしょう。

高校1年の大みそかに部屋の掃除をしていたら、小5の時クラスでマジックが流行っていた時に買ったトランプが出てきたんです。懐かしいと思いまして、そこからまたマジックを始めて、のめり込んでしまいました。まったくの独学で、YouTubeやDVDを何度も見て研究しました。1日5〜6時間は練習したと思います。一度ハマったら一直線な性格ですので、学校でも電車の中でもずーっとトランプをいじっていました(笑)。

――デビューしたらファンの前で披露する場面もありそうですね。

この趣味にちなんで〝マジックボイス〟というキャッチフレーズもいただきましたので、これからも極めていって、皆さんに喜んでいただければと思っています。ただ、テーブルマジックですと、ステージではお客様から見えにくいので、離れていても楽しんでいただけるような、もう少し大きめなマジックも勉強したいと思います。

――事務所の先輩、三山ひろしさんのけん玉のように認知されるといいですね。

三山先輩のように皆さんに喜んでいただけるようなものにしたいです。最近は僕も先輩のけん玉を手に入れて練習していて、ちょっとしたマイブームです。小学生の頃、児童会館などで少しはやっていたので大皿はできるようになりましたが、今度は少し難しい技にも挑戦したいと思っています。

――もし1週間、まるまるお休みがとれたら何をして過ごしますか。

うーん、やっぱり歌っているかもしれないです。カラオケに行ったりして。そうでなければDVDで先輩方の映像を観たり。後はセブン-イレブン巡りでしょうか。

――コンビニに行くのが趣味なんですか。

僕、セブン-イレブンでアルバイトしていたことがありまして、お店を巡ったりするのは好きですね。商品の発注とかもやっていましたので、店に入ると「今週この商品を入れたな」とか「この店はこの商品に力を入れているんだな」とか「こんな陳列の仕方もあるんだ」とか、見て回るのは楽しいです(笑)。

――ところでデビュー前とはいえ、弦先生のところにレッスンに通って数年たちます。同世代の歌手の方で仲良く話す方などできましたか。

まだ、そんなに皆さんとお話しする機会はありませんが、子どもの頃から知り合いだった彩青さんとは仲が良くてよく話します。北海道時代に三味線の先生が一緒だったんですよ。それから先日、二見颯一さんがラジオ番組で僕のことを話してくださり、その後お会いする機会がありましたのでお礼を申し上げまして、そこからいろいろ良くしていただいています。あとは、杜このみさん。デビューされる前ですが、民謡の大会でお会いして、よく声をかけてくださいましたので、お話しする機会があれば嬉しいです。

――彩青さん、二見さん、杜さん、またキングレコードの先輩には福田こうへいさんなど、民謡を歌う先輩方がたくさんいらっしゃいます。小山さんも民謡は歌っていかれますか。

軸はやっぱり演歌歌手だと思っておりますが、これまで長く勉強してきた民謡や三味線は自分の中ではひとつの武器だと思いますので、皆さまにお届けできる機会があれば、先輩方のように歌っていきたいと考えてはいます。

――さて、いよいよデビューです。これからの目標を教えてください。

僕自身、これまで歌に元気や勇気や笑顔をもらってきましたので、今度は自分自身がその笑顔や元気を聴いてくださる皆さんに与えられる歌手になりたいと思っています。それと、少し大きな目標になってしまいますが、早く自分の単独全国ツアーができる歌手になれるように頑張っていきたいと思っています。

――10年後の小山雄大はどんな存在になっていたいですか。

デビューにあたって「全国民の孫」というキャッチフレーズをいただきましたので、日本中の皆さんから孫のように愛される、親しみを感じていただける存在になっていたいです。

――では最後に『道南恋しや』を、聴いてくださる皆さんにアピールをお願いします。

この『道南恋しや』は、北海道から歌手になる夢をもって出てきた僕の等身大の歌です。弦哲也先生とさわだすずこ先生が作ってくださったこの曲で精一杯、頑張ります。皆様に可愛がっていただけるよう精進してまいりますので、応援よろしくお願いいたします。

小山雄大 プロフィール

北海道札幌市出身。2003年3月5日生まれ。20歳。特技はマジックでかなりの腕前。
2歳のころから、テレビで流れる氷川きよしの曲を聴いて歌い始める。
4歳の時から本格的に民謡を習い始める。小学二年生からは三味線も弾き始める。
2009、2011、2015年には道南口説節全国大会幼年の部、少年一部、少年二部でそれぞれ優勝。
2012、2015年には全大阪みんようジュニアフェスティバル全国大会にて第二部、第三部で優勝するなど、さまざまな賞を受賞。
NHK「NHKのど自慢」、テレビ東京「カラオケバトル」、フジテレビ「ミライ☆モンスター」他テレビ番組の出演も増える中、2016年上京。作曲家・弦哲也氏の元でレッスンをスタート。同年、「NHKのど自慢」チャンピオン大会において氷川きよしの『獅子』を歌いグランドチャンピオンに輝く。
2024年にキングレコードより『道南恋しや』でデビュー。

小山雄大『道南恋しや』ミュージックビデオ

https://www.youtube.com/watch?v=mONYYHFAQfo

小山雄大『道南恋しや』

2024年4月10日(水)発売

品番:KICM-31134
価格:¥1,500(税込)

【収録曲】

1.道南恋しや(作詞:さわだすずこ/作曲:弦哲也/編曲:猪股義周)
2.椿咲く島(作詞:さわだすずこ/作曲:弦哲也/編曲:猪股義周)
3.道南恋しや(オリジナル・カラオケ)
4.道南恋しや(一般用・カラオケ)
5.椿咲く島(オリジナル・カラオケ)
6.椿咲く島(一般用・カラオケ)

商品ページ:
https://www.kingrecords.co.jp/cs/g/gKICM-31134/