よく見かける高速料金所前後で左に寄せての駐停車! 故障でもない限り「違反」なので絶対にダメ!!

この記事をまとめると

■高速道路の料金所前後の広いスペースでの待ち合わせ行為は基本的に禁止されている

■高速道路上で仲間のクルマとはぐれた際には近くのSA・PAで待ち合わせるのが最善策

■高速道路上での停車は禁止だが、クルマが故障した場合は例外的に停車が認められている

高速道路料金所前後は待ち合わせ場所にぴったり……じゃない!

 クルマ複数台で出かけるとき、高速道路上で距離が空いてしまったり、はぐれてしまったりすることがあります。このようなときに料金所前後の広いスペースで待ち合わせしようと考える人もいるのではないでしょうか。今回は、高速道路の料金所前後にあるスペースで待ち合わせのためにクルマを停めていいのかを考察します。

高速道路上は基本的に駐停車禁止!

 そもそも高速道路上は、駐停車が禁止されています。道路交通法には、高速道路における駐車および停車の禁止について定められています。
【道路交通法第75条の8「停車及び駐車の禁止」】

 自動車は、高速自動車国道等においては、法令の規定もしくは警察官の命令により、または危険を防止するため一時停止する場合のほか、停車し、または駐車してはならない。ただし、次の各号のいずれかに掲げる場合においては、この限りでない。

 1)駐車の用に供するため区画された場所において停車し、または駐車するとき。

 2)故障その他の理由により停車し、または駐車することがやむを得ない場合において、停車または駐車のため十分な幅員がある路肩または路側帯に停車し、または駐車するとき。

 3)乗合自動車が、その属する運行系統に係る停留所において、乗客の乗降のため停車し、または運行時間を調整するため駐車するとき。

 4)料金支払いのため料金徴収所において停車するとき。
条文にもあるように、基本的に高速道路上で駐停車することはできません。例外は、SA・PAなどの駐車スペースがある場所、クルマの故障・やむを得ない事情があるとき、高速バスが停留所で停車するときや時間調整するとき、料金支払いのため料金所で一時停止するときとなっています。

料金所前後も高速道路上という扱いになる

 条文などに記載されている「高速道路上」には、料金所前後の広いスペースも含まれています。つまり、料金所前後の広いスペースも高速道路上となるのです。よって、ここで仲間の車両を待つのは禁止事項に該当することになります。

 料金所によっては、ゲートの数が多く、クルマを停めても迷惑にならないほど広いスペースがある場所もありますが、法律により料金所前後の広いスペースを含む高速道路上での駐停車は禁止されているため、迷惑にならないからという理由で駐停車することはできません。

例外的に認められている場合もあるが……

高速道路上で距離が空いてしまったときはどうする?

 クルマ複数台で出かけ、高速道路上で距離が空いてしまったり、はぐれてしまったりしたときは、どのようにするのがよいのでしょうか。

 高速道路上で仲間とはぐれてしまったときは、先にあるPA・SAや高速道路を降りた先にあるわかりやすい場所(駐車場がある場所)で待ち合わせするほかないでしょう。

 また、高速道路上で距離が空いたり、はぐれたりしないようにするために、車間距離を詰めて連なって走行すればいいのではないかと考える人もいるかもしれません。しかし、車間距離を詰めて走行すると「車間距離不保持」という交通違反になります。

 もし、前車との車間距離を詰めて走行し、前車が前方の交通状況に応じて減速したことに気づくのが遅れ、後続車のブレーキが遅れると追突事故を起こしてしまう可能性があります。

 このような可能性があることから、高速道路上で距離が空かないよう車間距離を詰めて走行するのは非常に危険です。適切な車間距離をとって走行しましょう。

高速道路上で止まらないために……

 高速道路上は原則として駐停車禁止です。ただし、道路交通法にあるように、例外として高速道路上で駐車または停車してもいいケースがあります。

 実際の交通社会で多いのは、クルマの故障による停車です。クルマが故障した場合は、例外的に停車しても良いことになっているものの、高速道路を走行するクルマの速度は高く、追突されると大きな事故に発展する可能性が高いため大変危険です。法律上の例外としてクルマが故障した場合には停車することができるとなっていても、原則に従って駐停車することがないよう日頃から点検・整備やメンテナンスをしておくことが重要です。