クマの出没が急増する時季を前に、県の関係課で組織する「総合クマ対策推進チーム会議」の本年度初会合が25日、県庁で開かれた。昨年の目撃件数は統計開始以降2番目に多く、今年は春先から目撃情報が増えていることなどを踏まえ、各課が講じる対策や市街地に出没した際の対応を確認した。

 県みどり自然課によると、今年の目撃件数は21日現在20件で、昨年4月末より3件多くなっている。暖冬による少雪と、昨秋ブナの実が凶作だったことなどから餌が少なく、人里への出没が早まっているとみられる。

 会議では同課の担当者が「例年5〜7月に目撃が急増した」「過去最多だった2020年や23年は10月の目撃が多かった」「人身被害は山菜・キノコ採り中に襲われるケースが大半だ」などといった近年の傾向を報告した。個体数調整の捕獲や生息状況調査に加え、人里への出没要因の一つとなっている、放置果樹の伐採支援といった対策と、市街地出没時の市町村や警察、猟友会などとの連携体制を確認した。

 今月16日、クマは指定管理鳥獣に追加され、捕獲や調査が国の交付金の対象となることも示された。同課の石山栄一課長は「国の支援メニューを最大限活用して対策を推進する」と強調した。