【F1マイアミGP予選の要点】マグヌッセンが今季初のQ3進出で4番手。フロアのアップデートで中団勢上位の速さを見せる

「赤旗さえ出なければ……」

 予選9番手に終わったマックス・フェルスタッペン(レッドブル)を筆頭に、多くのドライバーがシャルル・ルクレール(フェラーリ)のクラッシュを恨めしく思ったに違いない。

 対照的にこの状況に大喜びだったドライバーが、少なくとも3人。Q2までフェルスタッペンに負け続けていたのが、思わぬポールポジションが転がり込んできたセルジオ・ペレス(レッドブル)、今季自己ベストとなる2番手となったフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)、そして2列目4番グリッドを獲得したケビン・マグヌッセン(ハース)だ。

 特にマグヌッセンは、5戦目にして今季初のQ3進出。ここまでの4戦では13番グリッドが精一杯だったのが、いきなりの4番グリッドに大躍進した。ちなみにマグヌッセンは昨年11月のサンパウロGPでも、ジョージ・ラッセル(メルセデス)のクラッシュのおかげで、まさかのポールポジションを獲得している。半年ほどの間に立て続けにやってきたこの強運、少なくとも予選に限れば、マグヌッセンは持っているドライバーと言えそうだ。

 ただし今季ここまでのマグヌッセンは上述したような予選成績で、4年ぶりにF1にフル参戦復帰したニコ・ヒュルケンベルグに0勝4敗と大きく負け越してきた。内容的にもヒュルケンベルグは開幕から3戦連続トップ10グリッドを獲得しており、惨敗と言ってよかった。

 一方で今回のマグヌッセンの大躍進は、運だけで語るべきではない。ハースはマイアミにフロアのアップデートを持ち込み、確かな進化が見られたからだ。初日FP1ではヒュルケンベルグが9番手、FP2はマグヌッセンが12番手、そして予選直前のFP3ではヒュルケンベルグ8番手、マグヌッセン11番手と、トップ4以下の中団勢で上位を窺う速さだった。

 予選本番も、マグヌッセンは9番手でQ3進出。12番手に終わったヒュルケンベルグにしても、渋滞に巻き込まれ、自己ベストタイムは中古タイヤで出さざるをえなかった。10番手ラッセルとの0.17秒差を十分に巻き返せる速さを、改良版ハースは持っていたということだ。

 なのでQ3でもしルクレールのクラッシュがなかった場合でも、マグヌッセンはそこそこのグリッド位置につけていたことだろう。そしてマグヌッセンのレース運びの巧さは、小松礼雄エンジニアリングディレクターも高く評価するところだ。今年のマイアミはふたつのDRS区間を短くしたこともあって、決勝レースでは去年ほど簡単に抜けないことが予想される。最高速で総合6、8番手につけたハースの速さが、大きな武器になるはずだ。

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