ソウルで大ヒットした展覧会

『ウェス・アンダーソンすぎる風景展』会場風景

【女子的アートナビ】vol. 295

『ウェス・アンダーソンすぎる風景展』は、2022年に韓国のソウルで開催され、25万人を動員した展覧会《Accidentally Wes Anderson(AWA)》の巡回展です。

Accidentally Wes Andersonとは、アメリカで2017年に立ち上げられたInstagramのアカウント。ニューヨーク在住のコーヴァル夫妻が、自分たちで行ってみたい旅行先をネットで検索して、その場所の画像を投稿しはじめました。

その後、夫妻が自分たちで撮った写真も投稿するようになり、その画像がいかにもウェス・アンダーソン監督風ということで人気を集め、書籍化もされてアメリカで大ヒット。さらに、展覧会も開催されることになりました。

本展では、ウェス・アンダーソン監督自身も「僕が撮りそうな写真だ」とコメントしている美しい写真の数々を、カラフルに色分けされた展示室で楽しむことができます。

ウェス・アンダーソン風とは?

『ウェス・アンダーソンすぎる風景展』会場風景

そもそも、ウェス・アンダーソン風とはどんな写真なのでしょうか。

展覧会を担当したBunkamuraザ・ミュージアム学芸員の岡田由里さんは、次のように解説してくれました。

岡田さん ウェス・アンダーソン監督の作品は、独創的なストーリー展開に加えてビジュアル的にも細かいところまで徹底的にこだわり、つくられていることで知られています。代表作は、『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』や『グランド・ブダペスト・ホテル』。

本展では、そんな監督作品の特徴から、特に、シンメトリー性、ピンクやターコイズなどパステルカラーを多用する点、デコラティブ性の3点に注目して写真作品を展示しています。監督の映画をご覧になったことがない方でも、この3点をおさえて見ていただければ、ウェス・アンダーソンすぎるというのはどういうことか、おわかりいただけると思います。

旅に出たくなる写真がいっぱい!

『ウェス・アンダーソンすぎる風景展』会場風景

本展の副題は、「あなたのまわりは旅のヒントにあふれている」。

会場では、北米やヨーロッパ、アジアなど世界の魅力的な場所をめぐる写真約300点を10のゾーンにわけて紹介され、旅に出たくなる雰囲気にあふれています。

乗り物がテーマとなっている部屋では、トラムやケーブルカー、ミニバス、飛行機、気球など、さまざまな種類の写真があり、また乗り物の窓から見える景色の写真も多くあります。

『ウェス・アンダーソンすぎる風景展』より《ヴィッカース・ヴァイカウント》

例えば、《ヴィッカース・ヴァイカウント》は、ロンドンのガトウィック空港で撮影された飛行機とタラップの写真。ペパーミントグリーンの色彩がポップで、とてもかわいいです。

作品についての解説は、隣のキャプションに記載されているものもあれば、各展示室の入り口にQRコードがあり、それで読み取って解説を見られる作品もあります。歴史的、文化的背景についての解説もあるので、写真を見ながら知的好奇心も刺激されます。

実際に行ってみたくなる写真も多く、旅心をくすぐられる展覧会です。

かわいいグッズもいっぱい!

『ウェス・アンダーソンすぎる風景展』会場風景

最後のミュージアムショップでは、カラフルでかわいいグッズがいっぱい揃っています。韓国で人気のあったグッズを直輸入したものや、東京展オリジナルのグッズもあり、目移りしそう。

また、公式ブック『ウェス・アンダーソンの風景』もショップで購入可能です。

本展は5月26日まで開催。

Information

会期    :〜5/26(金) ※休館日なし
会場    :寺田倉庫G1ビル(天王洲)
開場時間  :11:00〜19:00(最終入館18:30) 金・土は20:00まで(最終入館19:30) 5/22〜25は 20:00 まで
※状況により会期・開館時間等が変更となる場合がございます。
観覧料   :一般¥2,000、大学生¥1,500、高校・中学・小学生¥1,000
※本展は予約不要。状況により【 オンラインによる事前予約 】が必要となる場合がございます。詳細は展覧会公式ホームページをご確認ください。