福岡県教育委員会は、2026年4月に入学する生徒が受ける県立高校入試から、受験生がインターネット上で出願できるようにする。保護者や生徒がパソコンやスマートフォンを使い、ネット上で入学願書を作成して提出。受験票も自宅のプリンターなどで印刷できるようにするという。

 これまで県立高の願書は、各中学校が受験生から紙で集め、直接高校に持参。高校はその場で不備がないか確認した上で受験票を渡していた。

 ウェブ出願では、住所や氏名の記入漏れなどはシステムが確認し、教員の負担は軽減される。また、入学選考料はこれまで県の領収証紙を銀行などの窓口で買って支払うしかなかったが、電子決済できるようにする。

 紙の願書の希望者がいた場合は、システム導入後の状況を見て「柔軟に対応する」(担当者)としている。

 県内では福岡市の私立中で2月、学校が生徒3人が志望する公立校の願書提出期限を誤り、提出が間に合わないトラブルがあった。県教委はこうした事態の防止にもつながるとみている。システムの導入費など約1億円を盛り込んだ県の新年度一般会計当初予算案が、3月の県議会で可決された。(椎木慎太郎、添田樹紀)