怪我による欠場から復帰したマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)が、MotoGP第5戦フランスGPの予選で2番手、スプリントレースでは5位を獲得した。マルケスはスプリントレースでカレックスのシャシーを使用していたという。

 マルケスは初日にカレックス製シャシーでの走行を行った。スペインGP後の公式テストに参加できなかったためにフランスGPのレースウイークでのトライを余儀なくされたわけだが、2度の転倒にもかかわらず、初日総合8番手につけた。

 Q2から挑んだ土曜日の予選では終盤のアタックで1分30秒763を記録し、一時、トップに立った。そのタイムはフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)によって更新されたものの、マルケスは2番グリッドを獲得している。

 スプリントレースではバニャイア、ルカ・マリーニ(ムーニーVR46レーシングチーム)と3番手争いを展開した。バニャイアとマリーニにパスされて後退したが、ホンダ勢としては最上位となる5位でゴールしている。レース後、ホンダのホスピタリティで行われた囲み取材でマルケスが語ったところによれば、レースにおける感触を確かめるためにカレックス製シャシーを選択していたのだという。

「今日はシャシーについていいフィーリングがあった。レースディスタンスでどうなるのかを確認するために、今日はカレックスのシャシーを選んだんだ」

「シャシーについてレースで確認できたのは特によかったところだ。僕のラストラップは1分31秒9。最後の2周で速いラップタイムが出ていて、これは大きなサプライズだった。序盤は少し硬くなっていた。完ぺきなレースをすれば表彰台の可能性もあったかもしれないけど、まだたくさん改善しなきゃいけない状況では現実的じゃない」

「僕は外からレースを見たわけじゃないけど、特にドゥカティと戦うのはすごく大変だったよ。コーナーでリスクを冒してオーバーテイクをしなくちゃいけないし、そうなるとタイヤも使うわけでね。ライバルはストレートでオーバーテイクができる。これは厳しいよ。でも僕たちはチームとハードに取り組んでいる」

 カレックス製シャシーを選んだのは、100パーセント、パフォーマンスに満足したからという理由ではなく、「確認」というテスト要素を含んだ選択だったようだ。まだ確認しないといけないことがある、とマルケスは新しいシャシーの感触について語っている。

「カレックスのシャシーにはライディングスタイルの適応が必要だ。素早くコーナーに進入しないといけない。でも、攻める必要はないし、ちょっとくらいならミスもできる。ワイドになっても戻ってこられるんだ。もうひとつのほう(スタンダードのシャシー)は、とても危険で、フロントタイヤについて理解するのが難しいけど、これ(カレックスのシャシー)は、警告がある。とはいっても、まだ理解しないといけないことがある。バイクを止めるところと加速については、まだ僕たちのウィークポイントだからね」

 カレックス製シャシーは苦戦にあえぐホンダにとって一筋の光となるのだろうか。