5月20日(土)にスタートが切られたADACトタルエナジーズ24時間レース(ニュルブルクリンク24時間)は、現地21日(日)明け方4時にレースの折り返しとなる12時間が経過。現在の総合トップはニック・キャッツバーグ駆るフリカデッリ・レーシングの30号車フェラーリ296 GT3(アール・バンバー/ニック・キャッツバーグ/デイビッド・ピタード/フェリペ・フェルナンデス組)だ。

 晴天に恵まれたニュルブルクリンク24時間の決勝日。ドライコンディションのなか、レースは例年どおり3つのグループに分かれてスタートが切られた。その先頭グループでは、前日のトップ・クオリファイでポールポジションを獲得した4号車メルセデスAMG GT3(チームビルシュタイン)がトップを守りグランプリコースから北コース“ノルドシュライフェ”へと入っていく。

 2番手には、スタート直後の1コーナーで3号車メルセデスAMG GT3(ゲットスピード)をオーバーテイクした27号車ランボルギーニ・ウラカンGT3エボ(ABTスポーツライン)がつけ、30号車フェラーリ296 GT3(フリカデッリ・レーシング)も同様に3号車メルセデスをオーバーテイクして3番手につける展開となった。

 そのままレースはクリーンに進行し、3周目にはトップを走る4号車メルセデスに対しペースで勝る27号車ランボルギーニが、左高速コーナーでマシンをイン側に入れオーバーテイク。さらに4周目には、30号車フェラーリにもオーバーテイクを許し、ポールスタートの4号車メルセデスは3番手に順位を下げてしまう。

 各車はノークラッシュノートラブルで第1スティントを遂行し、ピットタイミングを遅らせた30号車フェラーリがトップとなってレースをリードする展開に。2番手にはポールポジションスタートの4号車メルセデスがつけ、3番手には僅差で3号車メルセデスが続く。

 スタートから1時間半を経過したタイミングで、最初のピット作業を終え6番手を走行していた27号車ランボルギーニの左リヤタイヤがバーストするというアクシデントが発生。ドライバーのケルビン・ファン・デル・リンデはスロー走行でマシンをピットに戻すも、大きくポジションを下げてしまった。

 また、20番手スタートから5番手まで気迫の追い上げを見せていた、ケビン・エストレ駆る911号車ポルシェ911 GT3 R(チームマンタイ)は、左リヤタイヤがパンクした影響からコーナーの立ち上がりでスピンを喫する。マシンのリヤをガードレールにヒットした結果、ディフーザーやエキゾーストパイプを破損してしまい、修復作業のために順位を下げるかたちとなった。

3台のメルセデスAMG GT3の2位争いが白熱

 スタートから4時間弱が経過した時点で、2番手の3号車メルセデス(ゲットスピード)と3番手の4号車メルセデス(チームビルシュタイン)が接近。そこに、僅差で4番手を走行していた2号車メルセデス(ゲットスピード)も加わったことで、3台のメルセデスAMG GT3同士の争いが勃発。グランプリコース1コーナーで4号車メルセデスがブレーキングで前に出ると、順位を下げた3号車に2号車メルセデスも勝負を仕掛けオーバーテイクに成功。3号車メルセデスは、2台に順位を譲るかたちとなってしまった。

 スタートから5時間が経過した時点では、驚異的なペースでトップを快走していた30号車フェラーリの左リヤタイヤがパンク。マシンをドライブするニック・キャッツバーグは、幸いにもマシンを大きく破損させることなくピットにマシンを戻すことに成功し、チームはパンクしたタイヤが当たってひびが入っていたリヤカウルを即座に交換することで対応した。

このアクシデントにより、ゲットスピードの2号車メルセデスが総合トップに浮上。2番手にはチームメイトの3号車メルセデスが続き、レースは夜間セッションに突入していく。
Pictures like this will make any motorsport fan's heart beat faster 😍 Three Mercedes-AMG GT3 in a duel against each other! 🌈 #24hNBR #24hNBR2023..#nring #24hnurburgring #nürburgring #nordschleife #grünehölle #greenhell pic.twitter.com/BJkkLRcRYx— ADAC TotalEnergies 24h Nürburgring (@24hNBR) May 20, 2023


■ゲットスピードの2番手メルセデスが接触によりリタイヤ

 スタートから7時間が経過したタイミングで、マロ・エンゲル駆る3号車メルセデスがバックマーカーをパスする際に接触。エンゲルはすぐにピットへとマシンを戻すも、右リヤのショックアブソーバーにダメージを負ってしまった。チームはマシンに修理を施し、再度エンゲルをコースへと送り出すが足回りの傷は癒えておらず、残念ながら3号車メルセデスはリタイヤとなってしまった。

 フレカデッリの30号車フェラーリは、左リアタイヤのパンクによるイレギュラーなピットストップの影響で順位を落としてしまっていたが、その後快調なペースで走行を続けたことが功を奏し、レース開始から10時間が経過した時点でのピットストップ終了時には2号車メルセデスの前に出ることに成功。レース全体の総合トップへと順位を戻し、順調にギャップを広げにかかる。

 レース開始より12時間が経過した時点でのトップは30号車フェラーリ(フレカデッリ・レーシング)、2番手には33番手スタートから着実に順位を上げてきたローヴェレーシングの98号車BMW M4 GT3がつけ、3番手はBMWジュニアチームの72号車BMWとなっている。
How is your favorite car doing at halftime? 🤔 After 1️⃣2️⃣ hours, this is how the top of the field is looking! 📊#24hNBR #24hNBR2023 #racing #motorsport #nurburgring pic.twitter.com/vMPb9hIOSX— ADAC TotalEnergies 24h Nürburgring (@24hNBR) May 21, 2023

 ファルケン・モータースポーツの33号車ポルシェは総合25番手/クラス24番手、44号車ポルシェは総合11番手/クラス11番手。ADVANカラーをまとうワーケン・ホルストモータースポーツの101号車BMWはリタイヤ、102号車BMWは総合7番手/クラス7番手を走行している。

 SP4Tクラス優勝を目指す114号車スバルWRXがオルタネーターの小トラブルによりタイムをロスするも、チームの好修復により総合52番手/クラストップでレースを折り返している。

 トヨタGRスープラGT4でSP10クラスに参戦するトーヨータイヤ・ウィズ・リング・レーシングは、レース開始12時間の時点で70号車が総合59番手/クラス11番手、71号車が総合40番手/クラス5番手を走行している。