11月16日、WRC世界ラリー選手権第13戦『ラリージャパン』の競技初日“デイ1”が愛知県豊田市の豊田スタジアムで行われ、4台の『トヨタGRヤリス・ラリー1』で参戦するTOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)は、母国ラリーに臨む勝田貴元の総合5番手を最上位にカッレ・ロバンペラが同6番手、セバスチャン・オジエとエルフィン・エバンスが8番手、9番手につけ全車がSS1を走破した。

 前年の2022年に12年ぶりにWRCのカレンダーに復帰したラリージャパンは、今年も愛知県と岐阜県を舞台にターマック(舗装路)ステージで実施される。

 16日(木)は競技開始に先立ち、朝9時すぎから豊田市の鞍ヶ池公園内でシェイクダインが行なわれた。秋晴れのもとドライコンディションでの開催となった全長2.75kmのテストステージでは、前回大会の覇者であるティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)に次ぐタイムを記録したエバンス/スコット・マーティン組が2番手、オジエ/ヴァンサン・ランデ組と勝田/アーロン・ジョンストン組が同タイムで3番手をシェア。ロバンペラは5番手タイムをマークした。

 午後のオートグラフセッションなどを経て、夕方からはサービスパークが置かれている豊田スタジアムの競技場内でのセレモニアルスタートに続き、19時05分から同地初開催のスーパーSS“TOYOTA STADIUM SSS1”がスタート。トヨタ勢の4台のGRヤリス・ラリー1は、2台のラリーカーが同時にスタートし4周計2.10kmのタイムを競うかたちで行われた同ステージを全車が完走し、山間部での本格的なラリーが始まるデイ2に駒を進めている。

 TGR-WRTのボスであるヤリ-マティ・ラトバラは、トヨタチームが“ホームラリー”で勝つために入念な準備をしてきたと語った。

「ラリージャパン、そして豊田市に戻ってこれたことを大変光栄に思う。日本のファンは本当に素晴らしく、彼らの献身的なサポートは世界のどこよりも素晴らしいものだ」

「また、豊田スタジアム内に新たに設けられたスーパーSSも素晴らしい雰囲気だった。今年こそ、このラリーで勝ちたいと思っているし、そのために入念な準備を行ってきた」

「ただ、天気予報によると明日は雨が多く降りそうなので、ステージはかなり難しいコンディションになりそうだ。そのような状況ではドライバーは忍耐が求められますし、いろいろなことが起こり得るので、今回もまたチャレンジングなラリーになることを予想している」


■「明日こそが重要な一日」/TGR-WRTドライバーコメント

●カッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)
「日本に来るといつも特別な気持ちになるんだ。ファンの皆はもうすでにかなり盛り上がっているし、チームにとってはホームラリーなので、ベストな結果を得るためハードにプッシュしていくつもりだ」

「豊田スタジアムのステージは本当に素晴らしく、ドライバーとしては簡単ではなかったけれど、ファンにとっては良いショーだと思う。ベストを尽くして走ったのだけど、自分たちにとっては非常にトリッキーだったので、明日以降ふたたびこのステージを走るときのために何か解決策を見つける必要がある」

「シェイクダウンでは最初の走行でいいフィーリングが得られたし、明日予想されるウエットコンディションに備えて、セットアップを大きく変えて走ったりもしました」

●エルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)
「チームにとって非常に重要なラリーだし、TGRのドライバーとしてこのような温かい歓迎を受けて日本に来れたことを光栄に思う。もちろん良い結果で応えたいですし、そのために全力を尽くして戦うつもりだ」

「今夜のスタジアムはとても雰囲気が良く、このようなステージはドライビングという点ではあまりエキサイティングではありませんが、ラリーをスタートする上ではいいと思う」

「ベストな走りはできなかったが、明日こそが重要な一日だ。非常に難しい天候になることが予想され、狭くテクニカルなステージが多くあるので、本当にチャレンジングな一日になるだろう」

●セバスチャン・オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1)
「このようなスタジアムのステージは素晴らしいと思う。我々ドライバーにとってはラリーでもっとも楽しいセクションであるとは言えないが、ファンにとっては最高だろうし、とても素晴らしい雰囲気だった」

「すでに数秒を失っているのは喜ばしいことではない。しかしそのようなこともあるものだ。大勢のファンの姿や、熱心な応援を目にし、この週末多くの期待が寄せられていることを感じているので、ベストな走りで応えなければならない」

「シェイクダウンはいい天気に恵まれたが、明日の朝は雨が多く降り非常に難しいラリーのスタートになりそうだ。ただ、そのための準備はできているはずなので、ベストを尽くして臨みたいと思う」

●勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)
「ついにラリージャパンが開幕! SS1はトヨタ勢ではトップでしたが、総合は5位。チーム全体的に厳しかったSSSですが、明日の夜に向けては改善していきます」

「明日は早朝から長い1日になるのでより集中して行きます!」
※X(旧Twitter)より