4月18日(木)、WRC世界ラリー選手権第4戦『クロアチア・ラリー』のシェイクダウンが行われ、TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)のセバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(トヨタGRヤリス・ラリー1)がトップタイムをマークした。TGR-WRTのレギュラーである日本人ラリードライバーの勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は7番手タイムで今大会最初のセッションを終えている。

 TGR-WRTがワン・ツーフィニッシュとなったサファリ・ラリー・ケニアを終え、舞台はふたたびヨーロッパへ。2024年最初のフルターマックラリー(舗装路)となるクロアチア・ラリーへと集まった。

 ちょうど一年前に開催された同大会では、プレイベントテストにてヒョンデ・シェル・モービスWRTから参加していたクレイグ・ブリーンが不慮の事故により逝去。一周忌となる今大会に臨むヒョンデは、ブリーンを偲ぶ意を表してアイルランド国旗のカラーリングを施して出走した。

 路面コンディションの激しい変化が特徴となるこのラリーを戦ううえで、セッティングを見極めるためにも重要となるシェイクダウン。草原と住宅街との間を抜けるステージにて、TGR-WRTから開幕戦以来の出走となるオジエがトップタイムをマークした。

 最初の走行後には「先週行ったテストが効いている感じだ」と語っていたオジエは、2度目の走行で約4秒を削ってトップタイムをマーク。さらにセットアップを煮詰めることが進んでいる様子。

 0.7秒差の2番手にはチームメイトのエルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)が続き、TGR-WRTがワン・ツーでシェイクダウンを終えている。

 一方、開幕2連勝を飾っているヒョンデ・シェル・モービスWRT勢は、現在ドライバーズ選手権で首位に立つティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)と、チームメイトのオット・タナク(ヒョンデi20 Nラリー1)が同タイムをマークし、3、4番手に続いた。

 そして5番手には、現在2戦連続で3位表彰台に上がっているアドリアン・フルモー(フォード・プーマ・ラリー1)が入り、Mスポーツ・フォードWRT勢のトップとなっている。

 第3戦ケニアで2位表彰台を獲得した勝田は、2度目の走行にて首位オジエから5.7秒差のタイムをマークして7番手でシェイクダウンを締めくくった。

 最初の走行を終えた勝田は、「少しフィーリングが良くないところがありました。いくつかのポイントを確認しますが、ミスがなければ今週末もうまく行くと思います」と振り返っている。少しトラブルがあったようだが、ペース自体は悪くない感覚の様子でやや慎重な蹴り出しとなったようだ。

 WRC2クラスでは、シトロエンC3ラリー2を駆るヨアン・ロッセルとニコライ・グリアジンがワン・ツーとなった。3番手にはトヨタGRヤリス・ラリー2に乗るサミ・パヤリ、4番手にはシュコダ・ファビアRSラリー2をドライブするペペ・ロペスが続いており、WRC2は今週末も異なるメーカーのマシン同士による激しい戦いとなりそうな気配である。

 いよいよ開幕の時を迎えるデイ1は、SS1〜8までの8本が予定されており、ステージの総走行距離は119.74kmとなる。最初のステージとなるSS1は現地時間19日(金)8時28分(日本時間19日(金)15時28分)より開始となる予定だ。