11月18日(土)、WRC世界ラリー選手権第13戦『フォーラムエイト・ラリージャパン2023』は競技3日目を迎えたが、朝一番に行われたSS9“Nukata Forest 1”では、オフィシャルカー(ゼロカー)がコース上に停止していたことで赤旗が提示された。この理由についてFIA国際自動車連盟がコメントを発表した。

 2023年シーズンのWRC最終戦として開催されているラリージャパン。18日(土)のデイ3は、若干の遅延ののち8時過ぎから愛知県岡崎市に設定されたオープニングステージ、額田の森SS(SS9)が開始された。

 しかし、この日先頭走者となったティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)、勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)、オット・タナク(フォード・プーマ・ラリー1)、エサペッカ・ラッピ(ヒョンデi20 Nラリー1)がコースインした後に赤旗が提示される。ヌービルと勝田車のインカーカメラでは、コース上にオフィシャルカーのゼロカー(0A車両)が停止していることが確認され、その場所にヌービルと勝田の2台が接近したことが確認された。

 この赤旗提示は当初“安全上の理由”となっており、詳細については発表されていなかったが、FIAはメディア向けにコメントを発表した。それによると、ゼロカーがコース上に停止していたのは、「ステージ上の危険な場所に立っている観客に出くわし、移動を促すため」だという。その後の赤旗提示については、ゼロカーが安全な場所に移動したことがコントロールに伝えられたため競技開始となったが、ヌービル車がゼロカーに接近してしまったことでレッドフラッグが提示された、とのことだ。

 なお、この赤旗提示による競技中断は安全対策の見直し完了後に解除され、8時40分からステージが再開されている。その後ラリージャパン2023のデイ3において、SS15終了までは大きなアクシデントは発生していない。FIAによるコメント全文は以下のとおりだ。

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「土曜日の朝に行われたフォーラムエイト・ラリージャパン2023のSS9において、ゼロカーがステージ上の危険な場所に立っている観客に出くわし、移動を促すために停止した」

「ゼロカーが安全な場所に移動したことがラリーコントロールに伝えられ、ステージの競技開始が許可された」

「11号車(ヌービル車)は、ステージ開始8.6km地点で、まだステージを走行していた0号車に接近。その後、標準的な安全プロトコルが発動され、すでにステージ上にいた車両に赤旗が直ちに提示された」

「22分の遅延の後、安全対策の見直しが行われ、ステージは再開された。この問題についてはさらなる調査が開始されている。主催者とFIAは、確立された安全プロトコルが尊重されていることを確認し、各ステージを監視し続ける」