カタールの首都ドーハの北に位置する、ルサイル・インターナショナル・サーキットで開幕した2024年WEC世界耐久選手権第1戦『カタール1812km』。シーズンオープニングイベントの走行初日となった2月29日(木)は、フリープラクティス1回目(FP1)に続き現地17時30分からFP2が行われ、ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツの6号車ポルシェ963(ケビン・エストーレ/アンドレ・ロッテラー/ローレンス・ファントール組)が最速タイムをマークした。

 この日の日中に行われたFP1と同様に、最終盤の赤旗によって短縮終了となったレースウイーク2度目のプラクティス・セッション。このFP2でも公式テスト“プロローグ”やFP1に引き続きポルシェ・ペンスキー・モータースポーツのLMDhマシンが速さを見せた。

 ただし、今回の一番時計は6号車ポルシェ963がマーク。セッション開始早々にエストーレが記録した1分39秒990が全体ベストとなっている。これに続いたのは“ウイングレス仕様”が今戦で見納めになる予定のプジョー9X8(プジョー・トタルエナジーズ)の一台で、エストーレと同様にジャン-エリック・ベルニュが開始後まもなく93号車の自己ベストとなる1分40秒772を刻んで2番手に入った。

 3番手はジェンソン・バトンのドライブで、これまた序盤にタイムを出した38号車ポルシェ963(ハーツ・チーム・JOTA)。93号車プジョーとのタイム差はわずか100分の1秒だ。FP1に続いて4番手に入った2号車キャデラックVシリーズ.R(キャデラック・レーシング)は、アレックス・リンがタイムを出し、このトップ4までが1分40秒台に入っている。5番手はペンスキーの5号車ポルシェ963でタイムは1分41秒173。

 日中のプラクティス1で2番手につけた51号車フェラーリ499P(フェラーリAFコルセ)は、ハーツ・チーム・JOTAの12号車に次ぐ7番手に。これに7号車トヨタGR010ハイブリッド(トヨタGR010ハイブリッド)が続いた。

 新車勢のトップは1分41秒900というタイムで12番手につけた63号車ランボルギーニSC63だ。なお、ランボルギーニ・アイアン・リンクスが走らせるこのLMDhカーは、セッション終了まで残り10分となったところでターン7でストップ。これが序盤に出された7分間の赤旗中断から再開された後に出された2度目の赤旗の原因となっている。

 SC63と同じLMDh規定車のアルピーヌA424(アルピーヌ・エンデュランス・チーム)は36号車が14番手、姉妹車35号車が17番手。その間に20号車BMW MハイブリッドV8(BMW MチームWRT)が15番手に割り込み、もう一台のBMWは18番手に。セッション開始から16分後にターン6でグラベルに捕まった11号車イソッタ・フラスキーニ・ティーポ6-C(イソッタ・フラスキーニ)は、またもクラス最後尾に沈んだ。

■Dステーションのアストンマーティンが好調をキープ

 9社18台が参戦するLMGT3では、ビスタAFコルセの55号車フェラーリ296 GT3ともう一台の54号車フェラーリがクラスワン・ツーで上位を独占。ベストタイムはサイモン・マンが記録した1分55秒190だった。このタイムは姉妹車54号車を0.255秒上回るものだ。

 クラス3番手はショーン・ゲラエルのドライブで1分55秒515をマークした31号車BMW M4 GT3(チームWRT)。日本のDステーション・レーシングが走らせる777号車アストンマーティン・バンテージGT3が僅差の4番手となり、トップ5最後のスロットには佐藤万璃音が1分55秒563を刻んだ95号車マクラーレン720S GT3エボ(ユナイテッド・オートスポーツ)が入っている。

 この他の日本勢では、小泉洋史もドライブする82号車シボレー・コルベットZ06 GT3.R(TFスポーツ)がクラス6番手につけた一方、木村武史組87号車レクサスRC F GT3(アコーディスASPチーム)はふたたびのクラス17番手と苦戦を強いられている。

 WEC開幕戦カタールの走行初日はこのFP2でトラックアクションが終了。翌3月1日(金)はFP3と予選、それに続くハイパーポールの実施が予定されている。60分間となるFP3の開始時刻は現地11時00分、日本時間では17時00分だ。