メーカーの発表する新車ラインナップの中には、排気量こそ違えどほぼ同じ車体に見えるほど似ているものも。では、共通の車体を持つ兄弟車として、どのようなモデルが挙げられるのでしょうか。

見分け方はほとんどなし!?ほとんど双子なそっくり兄弟車も

 花粉の猛威も徐々に和らぎ、本格的なバイクシーズンが到来しました。このタイミングでバイクの新車購入を検討している人も多いかもしれません。

 さまざまなバイクメーカーの新車ラインナップを見てみると、排気量は違えど、共通のスタイリングで設計された兄弟車が数多く存在していることに気がつきます。

 中には、フレーム等、車体の構成部品がほとんど同じでエンジンの排気量だけが異なる兄弟車も。では、具体的にどのような兄弟モデルがあるのでしょうか。

◆ヤマハ「YZF-R25」「YZF-R3」

ヤマハ「YZF-R25」
ヤマハ「YZF-R25」

 ヤマハ「YZF-R25」は、同社の販売するフルカウルロードスポーツ「YZF-Rシリーズ」として2014年に国内仕様が発表されました。当時のコンセプトは「毎日乗れるスーパーバイク」であり、扱いやすさと走行性能のバランスが重視されています。

 その数ヶ月後にエンジンの性能を向上させたモデルとして発表されたのが「YZF-R3」。排気量は320ccで、軽二輪クラスのYZF-R25とは異なり車検が必要な小型二輪クラスです。

 エンジンはYZF-R25のものをベースにボアアップしたものであり、フレームのほか、カウル、シートの形状や、サスペンションも共通。遠目に見れば全く同じ車体です。

 定価は、YZF-R25が69万800円(税込)、YZF-R3が72万6000円(税込)です。

◆ホンダ「レブル250」「レブル500」

ホンダ「レブル250」
ホンダ「レブル250」

 ホンダ「レブル250」は、2017年に発表されたクルーザータイプのバイク。都会に溶け込むネオクラシカルな見た目が若者からの注目を集める同社の人気モデルです。

 フルカウルロードスポーツである「CBR250R」と同系統の249cc水冷単気筒エンジンを搭載しており、ゆったりとした走りだけでなく力強い走りも楽しむことが可能。また、シート高690mmという足つき性の良さも人気を集める理由のひとつです。

 そんなレブル250と同時に発表されたのが、471cc水冷2気筒エンジンを搭載した「レブル500」。先述のYZF-Rとは異なり、レブル250とレブル500のエンジンは完全に別物です。

 ただしフレームやタンク、足回りは完全に同じであり、やはり遠目から違いを判断するのは困難。エンジンから出るエキゾーストパイプの本数に着目してみると、わずかに違いが見られる程度です。

 そんな両者の定価は、レブル250が61万500円(税込)、レブル500が83万6000円(税込)です。

◆カワサキ「Ninja 250」「Ninja 400」

カワサキ「Ninja250」
カワサキ「Ninja250」

 カワサキ「Ninja 250」は、2007年に発表された「Ninja 250R」から数えると17年近くの歴史を持つフルカウルロードスポーツ。現行のNinja 250は2017年に発表された3代目となるモデルであり、同時にニンジャ400も発表されました。

 2017年に発表された「Ninja 400」は、それまでのNinja 650Rをベースとした設計を変更し、Ninja 250と基本構造を共通化。装備重量は前モデルと比べて42kg軽い167kgです。タイヤやエンジンなどの違いはあるものの、そのほかの多くのパーツは共通となっています。

 定価はNinja 250が70万4000円(税込)、Ninja 400が77万円(税込)です。

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 このように、共通の車体を使いつつ排気量が異なるバイクがあると、どちらを購入するか迷ってしまう人も多いでしょう。

 大排気量のバイクと同等の車格がある小排気量車を購入したいと考える人もいれば、小排気量のバイクと同じ大きさで取り回しのしやすい大排気量バイクを購入したいという人もいるかもしれません。

 どちらにせよ、販売店での試乗や比較記事を通して、両者の違いを把握することが大切です。