【インディアナポリス(米インディアナ州)松本浩明】「第108回インディ500」(5月26日決勝)に向けた初の公式テストが10日、当地のインディアナポリス・モータースピードウェイ(IMS)で始まり、3度目の制覇を狙うレイホール・レターマン・ラニガンの佐藤琢磨(47)が参加した。15周で平均時速221・834マイル(約356・487キロ)を記録し、34台のうち23番手。午後は雨のため走れず、「本当に残念。やりたいことは山ほどあったのに」とボヤいた。

 琢磨が雨に泣かされた。午前に2時間走り、午後2時過ぎに再びマシンに乗り込んだものの、コースインを待つ間に雨が降り始める。テストは一時中断した後、そのまま終了。自身15回目となるインディ500への本格始動は、いきなり出ばなをくじかれた。

 「本当に残念。やりたいことは山ほどあったのに、組み上がったマシンのシェークダウン走行と、このマシンのためにクルーやエンジニアも集まっているので、そのチームのオペレーションのチェックをしただけで終わってしまったような感じ」

 雨の予報を受けて1時間以上繰り上げて始まった午前の走行では、レイホール75号車に乗り込み、じっくりとマシンチェックをしながら走行。7人のルーキーらのプラクティス2時間をはさみ、午後に再び走り込むはずだったが…。

 チームメートのグラハム・レイホール(19番手)、クリスチャン・ルンガー(21番手)、ピエトロ・フィッティパルディ(30番手)との連携も、いまひとつに終わった。「同僚のマシンとは少しセッティングを分けていたが、僕のマシンに小さなメカニカルトラブルもあって、他のマシンとの比較もうまくデータが取れなかった」と、不完全燃焼のやるせなさを隠せない。

 3月中旬に渡米し、3年ぶりに復帰した古巣に顔を出したものの、その後に一時帰国していた。3月30日決勝のフォーミュラE東京大会でテレビ解説を務め、4月7日決勝のF1日本GPではイベントにゲスト出演と大忙し。そこから大急ぎで米国に取って返し、今回の公式テストに臨んだ。

 初日は総合23番手に終わり、最終日となる2日目も予報は雨。「とりあえずミーティングとデータの解析をしながら、天候の様子を見たい」。あいにくの空模様にも負けず、ベテランの豊富な経験を生かして粛々と準備を進めていく。