【岩瀬仁紀の目】◇17日 中日2―0ヤクルト(バンテリンドームナゴヤ)

 中日は「6番・三塁」で出場したオルランド・カリステ内野手(32)の2点適時打で6回に均衡を破り、最後は守護神のライデル・マルティネス投手(27)が3人で締めてセ・リーグ10勝一番乗りを決めた。

 中日スポーツ評論家の岩瀬仁紀さんは、リーグトップの7セーブ目を挙げたマルティネスを「完全な抑えになった」と評した。160キロ近い剛速球でねじ伏せるだけでなく、「メリハリをつけられるようになった」という。2点リードの9回に登板したこの日はソロ本塁打を打たれてもまだリードしている状況。そんな中、マルティネスが投げた全14球のうち、直球は5球のみ。変化球を多投して、楽に抑えた。

 「点差や打順を考えて余裕のあるピッチングを始めた。流れがこちらにあるときは普通に投げればいいし、リードしていても嫌な流れの時は出力を上げる。そういう流れを分かって、マウンドに上がっている」と岩瀬さん。「ランナーが出たら力を入れればいい。毎回全力ではどこかでバテてしまう。抑えは余力を残すことが大事」とマルティネスの進化を頼もしく見ている。