◇24日 天皇賞・春追い切り(栗東トレセン)

 淀の長丁場では負けられない。昨年の菊花賞を圧勝したドゥレッツァは栗東CWで単走で追われた。序盤は折り合いに専念し、直線で仕掛けられると滑らかに加速。雄大なフットワークで6F81秒9―37秒3―11秒7をマークし、良好な仕上がりをアピールしてみせた。

 美浦から駆けつけた尾関師は「ある程度前半は折り合いをつけて、しまいは強めに伸ばす感じ」と調教の意図を説明。その上で「動きは良かった。持ったまま促すと、少し沈む感じでぐっと伸びていたから」と納得の表情を浮かべた。

 4連勝で挑んだ菊花賞は、同世代のGⅠ馬を寄せ付けずに快勝。4歳初戦となった前走の金鯱賞では2着に敗れたが、師は「菊花賞後にがくっときたので長く休み、前走は(調子が)戻っている途中。調整にも苦労した部分があったし、精神的にも無駄に力んでいた」と力負けではないことを強調する。

 本調子で春の盾に挑むため、中間は初の栗東滞在を選択。ゴールデンウイークによる輸送トラブルを避ける目的もあるが、師は「使った効果もあって雰囲気も良く、落ち着いている」と新たな環境への対応に目を細める。さらに「使ったことで精神的にもリラックスしてきた。前走より良くなっているし、今週のひと追いでさらに良くなる」と確かな上積みを説明する。

 「コントロールの高さと抜群の切れ味がある。菊花賞より200メートル延びるのがプラスかは分からないけど、菊花賞馬として頑張ってほしい」と師。尾関師と戸崎のタッグは、2019年にグローリーヴェイズで2着。5年前の忘れ物を取りに行く準備は整った。