◇24日 巨人2―3中日(東京ドーム)

 試合後、涌井の表情はほっとしていた。「みんなも連敗を止めたいというつもりで試合に出ていたと思う。敵地で止められてよかったです」

 耐えた先に、連敗ストップ星をつかんだ。6イニングを5安打2失点で今季2勝目。2回に1死一塁から萩尾の適時三塁打、岸田の犠牲フライで同点に追い付かれたが、それ以上は得点を許さなかった。3回は2死満塁の場面で、適時打を浴びた萩尾に対して147キロ直球で一飛。4回には、昨季までは相手チームだった中田の好守備にも助けられ、得点圏のピンチを切り抜けた。5、6回は三者凡退に抑えて今季最多の101球。「ピンチばかりでしたけど、結果的にもう1点をあげなかったのが勝ちにつながったと思います」と分析した。

 開幕から2試合目の6日の広島戦(マツダ)で今季初勝利を挙げた後、3試合目となった17日のヤクルト戦(バンテリンドームナゴヤ)までは中10日の間隔を空けた。2試合目から中6日のままでいけば週末のデーゲーム。「本人がナイトゲームのほうが時間の使い方が合うみたいなので、そういう意図がありました」と大塚投手コーチ。体と向き合った調整法でパフォーマンス向上に努め、開幕から3試合で17イニング1/3を連続無失点の数字を残した。この日、連続無失点はストップしたが、何よりもチームの白星がうれしかった。

 巨人戦の白星は「ここで完投した時ですよね」とロッテ時代の2016年6月17日で完投勝利して以来、8年ぶり。大塚コーチも「涌井は投げていけば投げていくほど球質が落ちない。チームを連敗から救う投球をしてくれました」とたたえた。