今、巷ではどんなアイテムが売れているのか、なぜ売れているのか? そんなゴルフ界のトレンドを探るべく、有賀園ゴルフで、売れ筋商品のランキング調査。アイテム別に毎週、レポートをお届けします! 今回は2024年2月の高価格帯(3000円以上)ボール売れ筋ランキングです。

有賀園ゴルフで2024年2月に売れた高価格帯ボールベスト5

 今、売れている1ダース3000円以上の高価格帯ボールはどのモデルなのか徹底調査。ランキングは有賀園ゴルフ全店舗、ネットショップも含めての売上本数で、マークダウン商品をのぞいて算出してもらいました。最新のギアトレンドが一目で分かります。

第1位 タイトリストプロV1(アクシネットジャパン)

タイトリストプロV1(アクシネットジャパン)
タイトリストプロV1(アクシネットジャパン)

 コア内部から外側に向かって剛性を高めた新開発のコアと、弾力性が高く剛性に優れたケース層が、速いボール初速を生み出しバックスピン量を低減。ロングゲームでは飛距離性能を。グリーン周りではよりソフトな打感で、優れたスピンコントロール性能を発揮します。2023年2月3日発売。ウレタン・エラストマー・カバー 3ピース。オープン価格(実勢価格:7148円、税込み)

ミスしても止まってくれるスピン性能の高さが支持される

 前回は3位に甘んじましたが、見事、首位に返り咲きました。V1ならではの軟らかな感触はモデルチェンジしても変わらず、それだけに愛され続けているという印象ですね。

 使い続けているゴルファーが多いボールです。また、ミスしたと感じたショットでも、グリーン上で止まってくれるという声が多く、スピン性能の高さを感じさせてくれます。(有賀園ゴルフNEW杉並店・小室直也店長)

第2位 タイトリストプロV1x(アクシネットジャパン)

タイトリストプロV1x(アクシネットジャパン)
タイトリストプロV1x(アクシネットジャパン)

 インナーコアをより大きく進化させ、内部から外側に向かって剛性を高めた新開発のハイグラディエントコアと、弾力性が高く剛性に優れたケース層が、速いボール初速を生み出しバックスピン量を低減。ソフトで芯を感じる打感を可能にした4ピースボールです。2023年2月3日発売。ウレタン・エラストマー・カバー 4ピース。オープン価格(実勢価格:7148円、税込み)

飛んで止まる代表。ヘッドスピードに関係なく試して欲しいボール

 4ピース構造でコアがしっかり仕事をして、飛距離性能を出してくれるのと、高いスピン性能も発揮してくれて飛んで止まるボールの代表ですね。

 弾道は「V1」よりはやや低めですが、強い球が出ます。

 以前は「V1x」はヘッドスピード42メートル/秒以上必要なイメージがありましたが、最近はこだわらず使えると思います。1度試してほしいです。(有賀園ゴルフNEW杉並店・小室直也店長)

第3位 TOUR B X(ブリヂストンゴルフ)

TOUR B X(ブリヂストンゴルフ)
TOUR B X(ブリヂストンゴルフ)

「飛んで、止まる」という性能を継承。タイガー・ウッズらツアープロが求める「風に強い弾道」と、フェースに長く乗る「乗り感」と、これに「軟らかな打音」を組み合わせた「ディープ感」をかなえたボールです。「X」は飛距離性能重視で開発されています。2024年2月9日発売。NEWリアクティブiQ・ウレタンカバー+スリップレス・バイトコーティング 3ピース。オープン価格(実勢価格:6928円、税込み)

前作より軟らかくなった印象があり「XS」から変えた方も多いです

 前作より、打感が軟らかくなった、打ちやすく感じるという声が届いています。

 その効果か、今まで「TOUR B XS」を使っていたけど、今回から「X」にしたというお客さんも多いですね。

 実際には軟らかくしていないのかもしれませんが、そう感じるユーザーが多いのは、プロたちのこだわりである「軟らかな打音」も影響しているのかもしれません。(有賀園ゴルフNEW杉並店・小室直也店長)

第4位 タイトリストプロV1x レフトダッシュ(アクシネットジャパン)

タイトリストプロV1x レフトダッシュ(アクシネットジャパン)
タイトリストプロV1x レフトダッシュ(アクシネットジャパン)

 従来の2モデルではカバーできなかったプレーヤーニーズを叶えるために開発されたモデルです。プロV1xと類似の中高弾道ながら、ロングゲームのスピン量を低減し、しっかりめの打感を備え、ショートゲームでは優れたスピンコントロール性能も発揮します。2024年2月9日発売。ウレタン・エラストマー・カバー 4ピース。オープン価格(実勢価格:7148円、税込み)

第5位 TOUR B XS(ブリヂストンゴルフ)

TOUR B XS(ブリヂストンゴルフ)
TOUR B XS(ブリヂストンゴルフ)

「飛んで、止まる」という性能を継承し、フルショットでは「風に強い弾道」をかなえ、アプローチショットでは、前モデルから継承する「乗り感」に加え「軟らかな打音」を組み合わせた「ディープ感」を進化させています。「XS」はスピン性能に秀でたタイプです。2024年2月9日発売。NEWリアクティブiQ・ウレタンカバー+スリップレス・バイトコーティング 3ピース。オープン価格(実勢価格:6928円、税込み)

「ゴルフは自分でボールを選べる数少ない球技。選ぶ楽しさも味わって欲しい」(小室店長)

 前回は3位に甘んじた「タイトリスト プロV1」でしたが、さすがですね。首位を奪還しました。

 2位は同シリーズの「プロV1x」がランクイン。さらに、新たにラインアップに加わった「プロV1x レフトダッシュ」も4位にランクインしています。やはり「プロV1」のブランド力は強いとあらためて感じました。

「プロV1シリーズ」はもちろんですが、「TOUR B」や、今回はランキングに入っていませんが、「スリクソン Z-STARシリーズ」、テーラーメイドの「TP5シリーズ」、キャロウェイゴルフの「クロムツアーシリーズ」など、ツアー系のボールは同じシリーズ名でスピン重視系モデルとディスタンス(飛距離)重視系モデルの2種類がラインアップされています。

「プロV1」「TOUR B XS」「スリクソンZ-STAR」「クロムツアー」などはスピン重視系に分類され、「プロV1x」「TOUR B X」「スリクソンZ-STAR XV」「クロムツアーX」はディスタンス重視系という分類です。

 以前はディスタンス系が硬めの打感で、速いヘッドスピードの人以外は、その性能のよさを体感できないといわれていましたが、使われている素材などボールの進化に伴い、ヘッドスピードを選ばなくなってきているように感じます。

 たとえば、ヘッドスピード30台後半の女性から「TOUR B X」や「TP5 X」で、大きな飛距離とグリーン周りでのスピン性能を体感できたという声が聞かれることも少なくないのです。

「ツアー系ボール? そんなレベルじゃないよ」「X? ヘッドスピードが足りないから打ちこなせないよ」というお客様が多いのも事実ですが、僕は「だまされたと思って、1スリーブ試してみてください」とオススメしています。

 その結果、ご自身の持つ高いポテンシャルを引き出せたというケースが少なくないのです。プレーヤー自身がボールを選んで楽しめる数少ない球技の一つであるゴルフ。せっかくですから「ボールなんて何でもいい」ではなく、選んで使う楽しさも味わってほしいです。

※ランキングは、有賀園ゴルフ全店舗、ネットショップも含めての売上総数で算出してもらいました。実勢価格は有賀園ゴルフでの最新販売価格です。取材協力:有賀園ゴルフNEW杉並店

下山江美