ホールインワン達成者は同伴者やゴルフ仲間に記念品を贈るなどし、幸運を“おすそ分け”するのが慣習です。では、どのような品物を贈るのがふさわしいのでしょうか?

ホールインワン達成者は幸運を“おすそ分け”するのが慣習

 主にパー3ホールにおいて1打でカップインすることを「ホールインワン」といいますが、ホールインワンを達成すると、達成者は同伴者やゴルフ仲間に記念品を贈るなどし、幸運を“おすそ分け”するのが慣習となっています。

ゴルファーであれば一度は達成したいホールインワン 写真:GettyImages
ゴルファーであれば一度は達成したいホールインワン 写真:GettyImages

 では、ホールインワンのお祝いとして適切な記念品は何でしょうか。ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)は以下のように話します。

「一般的にはボールやマーカー、グリーンフォークなどゴルフ関連グッズに自分の名前と『ホールインワン記念』などと刻印して同伴者や友人、当日担当してくれたキャディーに配る人が多いと思います。私も知り合いからホールインワン記念としてそのようなものをもらったことがあります」

「少し工夫したければ、より実用的なものを贈るのもよいでしょう。例えば、お酒好きの仲間にはウイスキーグラスやワイングラスを贈れば、長く使ってもらえるはずです」

「食べてなくなるものであれば、“タンスの肥やし”にならずに済みます。ちなみに老舗和菓子屋『とらや』では、ホールインワン記念としてゴルフボールの形をした最中(税込み454円)が販売されており、特別感があるのでおすすめです」

「また、記念品を贈る以外にも、祝賀パーティーや記念コンペの開催、キャディーへご祝儀を送る人も多いようで、いずれも達成者が費用を負担するのが普通です」

「他にも、そのコースのメンバーであれば『ホールインワン記念樹』を植樹することもあります。達成したホールのティーイングエリアやグリーンの近くに木を植えて、その下に達成者の名前や年月日、ヤーデージなどを記載したプレートを立てるというものです。かねて記念樹に憧れており植樹を希望する人も多いようです」

 しかし飯島氏は、ホールインワン記念樹はゴルフ場にとっては不都合が生じる恐れがあると話します。

「ゴルフ場を造成した際に『どこに何の種類の木を植えるか』といった植栽に関する計画も立てています。生い茂った葉や花が最も美しく見えるよう配置するなど、設計者の緻密な計算や強いこだわりが反映されているのです」

「一方で、ホールインワン記念樹は元来の植栽計画にはなかった木を植えることになるので、木の種類が違えば周囲から浮いて見えることもあり、せっかく整えられた景観のバランスを崩してしまう可能性があります。そのため、私はホールインワン記念樹はあまり推奨しません」

ゴルフ発祥の地、スコットランドでは?

 どうしてもゴルフ場にホールインワンの証を残したい場合、景観を損ねずに済む方法はあるでしょうか。飯島氏は以下のように話します。

「ゴルフ発祥の地であるスコットランドでは、3人掛けのベンチを寄贈するのが一般的です。達成者の名前や年月日が刻まれたプレートをベンチに取り付け、クラブハウスや各ホールのティーイングエリアの近くに設置します。プレーヤーも利用できますし、ゴルフ場側にとっても植樹ほど景観を損ねる心配がなくなるので、日本でも流行ってほしいと思っています」

「また、ホールインワンを達成した際には、記念品を贈ったり、祝賀会を開催したりと、多額の費用がかかることも少なくありません。ゴルフ保険にはホールインワンによる突然の出費に対応できるサービスがあるので加入しておくと安心でしょう」

「ただし、ホールインワン保険が適用されるには、同伴者とキャディーの両方が目撃して署名をしてもらう、事実である映像を提供する、公式の競技会などで記録されるといった条件が必要となる場合があるので、事前に保険の内容を確認しておきましょう」

 ゴルファーであれば誰しも一度でいいからホールインワンを経験してみたいものです。いつかやってくるかもしれない記念日に夢をふくらませ、周囲にどんなおもてなしをするか考えておきましょう。

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