漫才のような掛け合いからは想像できない展開に

格闘技イベント「RIZIN.46」(29日、東京・有明アリーナ/ABEMA PPV ONLINE LIVEで生中継)第5試合、RIZIN MMAルール ライト級(71キロ):5分×3R

 第5試合では“ブラックパンサー”ベイノア(28=極真会館)が井上雄策(35=リバーサルジム川口リディプス)に3-0で判定勝ちを収めた。ベイノアはRIZINでの連敗をストップ。2021年11月20日の「RIZIN.32」でのロクク・ダリ戦以来、3年ぶりの勝利でMMA戦績を2勝3敗とした。

 東京都板橋区成増出身のベイノアは、22年大みそかに宇佐美正パトリックにKO負けを喫して以来の再起戦となった。23年は、元UFC王者ダニエル・コーミエやハビブ・ヌルマゴメドフのいる米国名門ジム「アメリカン・キックボクシング・アカデミー」に単身武者修行。英語を話せないまま渡り、1年間メンタルと技術を鍛え上げ「押忍」の精神を学んできた。

 対する井上はマッスルYouTuberをしながらジム経営もしている、かつてPANCRASEで活躍していた選手。昨年10月のRIZIN初参戦で渡慶次幸平と対戦し、1R・KO勝ちを収めていた。“お笑い”能力も高く、ボケに対する反応スピードとツッコミの間(ま)はまるで芸人を思わせる。

 これまで漫才のような掛け合いを見せてきた両者がついにリングの中で拳を交えた。ベイノアはいままでのド派手な入場はなく、2分でリングインした。

 15分間、両者の手数は少なく会場からは異例のブーイング。サークリングをしながらジャブを繰り出すベイノアと、それを追う井上。2Rにはレフェリーから両者に注意される瞬間もあった。米国仕込みの組みを披露することもなく、ファンは不完全燃焼。それでもベイノアが判定勝ちを収めた。

 この試合の直後にはRIZINガールがリングのなかで韓国の6人組ガールズグループ・MOMOLANDの楽曲「BBoom BBoom」を披露。かわいらしいダンスで会場の空気を温めていた。ENCOUNT編集部