母子家庭の貧困が社会問題化しているのに対し、父子家庭は経済的に余裕があり、生活に困らない程度に収入を得ていると思われがちです。   しかし、シンパパでも経済的に苦労していたり、生活費の工面が大変だったりすることも決して珍しくありません。母子家庭と同様に受け取れる手当や受けられる支援制度などを確認し、適用要件を満たしていたら申請手続きを行うなどしてみてください。   本記事では、シンパパや父子家庭が受け取れる手当や受けられる支援制度などについて解説します。

シンパパもシンママ同様に支援を受けられる?

ひとり親世帯が受け取れる手当や支援制度は複数ありますが、要件を満たしていれば母親に限らず父親も適用対象です。経済的に苦しい、仕事と育児の両立が難しいといった悩みを持つ父親は、どのような手当を受け取ったり、支援を受けたりできるのかを確認し、活用していくとよいでしょう。
 

父子家庭は14万8711世帯

厚生労働省の「令和3年度 全国ひとり親世帯等調査結果報告」によると、 父子家庭の総数は14万8711世帯とのことです。そのうち、父の平均年齢は 40.1歳、年齢階級別で見ると40〜49 歳の5万5541世帯が最も多く、次に30〜39歳の4万8749世帯でした。
 

シンパパ向けの手当や支援制度

シンパパ向けの主な手当や支援制度を図表1でまとめているので、活用できるものがないか確認してみてください。
 
【図表1】

手当や支援制度 対象 概要
児童手当 0歳〜中学校卒業(15歳の誕生日より後の最初の3月31日)までの児童を養育する者
※扶養人数ごとの所得制限限度額あり
・0歳〜3歳未満:一律1万5000円
・3歳〜小学校修了前:(第2子まで)
1万円(第3子以降)1万5000円
・中学生:一律1万円
※所得制限額以上所得上限限度額未満:
特例給付で 一律5000円
児童扶養手当 以下のいずれかに該当する児童を
養育する者
・18歳に到達後、最初の3月31日までの
児童
※一定以上の障害状態にある場合は20歳未満
・父母が離婚した児童
・父または母が死亡、重度の障害を有する、生死不明である、1年以上遺棄されている、DV保護命令を受けている、法令により1年以上拘禁されている児童
・婚姻によらないで生まれた児童
※扶養人数ごとの所得制限限度額あり
【月額】
・全部支給(所得制限額未満):
4万4140円
・一部支給:4万4130円〜1万410円
【第2子の加算額】
・全部支給:1万420円
・一部支給:1万410円〜 5210円
【第3子以降(1人につき)の加算額】
・全部支給:6250円
・一部支給:6240円〜 3130円
児童育成手当 以下のいずれかに該当する18歳になった最初の3月31日までの児童を養育する者
・父母が離婚した児童
・父または母が死亡、重度の障害を有する、生死不明である、1年以上遺棄されている、DV保護命令を受けている、法令により1年以上拘禁されている児童
・婚姻によらないで生まれた児童
※東京都独自の制度
※扶養人数ごとの所得制限限度額あり
育成手当:月額1万3500円
(子ども1人につき一律)
ひとり親家庭等医療費助成 ・ひとり親家庭の父または母および児童
・父母のいない児童および
その児童の養育者
※児童は18歳になった最初の3月31日までの方(一定以上の障害状態にある場合は
20歳未満)
※健康保険に加入していることが条件
※所得制限を超過している、生活保護を
受給している場合は適用対象にならない
ひとり親家庭などの保護者、18歳になった最初の3月31日までの子どもは、医療機関や薬局を受診した際の保険診療に係る
自己負担分を助成する制度

※東京都福祉局 シングルママ・シングルパパ くらし応援ナビTokyo「お金に関すること|支援一覧」
 

手当や支援制度を活用して経済的負担の軽減につなげよう

子どもを育てているシンパパならではの経済的な苦労や悩みは多々あることでしょう。もともとは母子家庭を対象にした手当や支援制度でも、父親だからという理由だけで適用対象にならないわけではありません。シンパパや子どもの将来のためにも、ぜひ手当や支援制度を活用してみてください。
 
ただし、手当を受け取ったり、支援を受けたりする際には、申請手続きを行う必要があります。手続きの方法や必要書類は申請する自治体によって異なりますので、窓口や電話などで確認してみるのがスムーズです。
 

出典

厚生労働省 令和3年度 全国ひとり親世帯等調査結果報告 (令和3年11月1日現在)
東京都福祉局 シングルママ・シングルパパ くらし応援ナビTokyo お金に関すること|支援一覧
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー