テレビなどのNHK放送を受信できる機器を設置すると、NHKとの受信契約は義務となります。しかしなんらかの理由で、何年もの間、受信契約をせずに、受診料を支払っていない方もいらっしゃるかもしれません。   例えばNHKとの契約をしていなかった方が、今から受信契約をする場合に、過去の未払い分は請求されるのかと、疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。そこで今回は、NHKとの受信契約についての考え方や、10年間滞納した場合の請求金額について調べてみました。

NHK放送の受信料はテレビを設置した月から発生する!?

テレビなどのNHKを受信できる機器を設置した場合は、NHKとの受信契約の義務が発生します。そして受信契約をすると、受信料を支払わなければなりません。
 
このとき注意しなくてはならないことは、2017年12月6日の最高裁判所判決で明らかにされたように、NHK放送の受信料は、契約手続きをした月から発生するわけではなく「受信設備の設置の月以降」に発生する可能性が高いということです。
 
例えば、10年前に家を建てたときにテレビを設置した場合は、NHKとの契約の有無にかかわらず、10年前より受信契約および受信料を支払う義務が発生していると考えられます。
 
さらに「不正な手段により受信料の支払いを免れた場合」「正当な理由なく期限までに受信契約の申し込みをしなかった場合」は、受信料の2倍の割増金が発生する点にも注意が必要です。
 

10年間滞納した場合の請求金額をシミュレーション

なんらかの理由でNHK放送の受信料を10年間滞納していた場合に、今から契約手続きをすると、いくらくらい請求されるのでしょうか。以下の条件でシミュレーションしてみます。


・滞納期間:2014年4月〜2024年3月
・対象となる受信契約:地上契約

2024年現在、地上契約の月額料金は1ヶ月あたり1100円です。さらに、以下の事情をふまえる必要があります。


・2023年9月30日以前は、月額1225円(振込用紙での支払いの場合は1275円)に設定されていること
・2023年4月以降の分については受信料の2倍に相当する金額が割増金として加算されること

以上をふまえると、10年間(120ヶ月)でかかる金額は16万円200円となります。なお、受信料には時効があるため、申し出ることにより減額になる可能性があります。受信料の消滅時効は5年です。
 
5年以上前の受信料については時効により消滅させられる可能性がありますが、直近5年分の受信料は支払う必要があります。その場合の請求額は、8万6700円になります。
 

NHK受信料の支払いは受信設備を設置した月から! 未払い分はさかのぼって請求

NHKを受信できる機器を設置すると、受信契約をして受信料を支払う義務が生じます。受信契約をしないで長期間たってしまった場合は、機器を設置した月にさかのぼって受信料を請求されるため、注意が必要です。
 
さらに2023年4月以降の期間に関しては、受信料の2倍に相当する金額が割増金として加算されます。新しく家を建てたり引っ越しをしたりする場合は、何かと忙しくて、NHKへの手続きを怠ってしまうことも考えられます。
 
しかし、未払い分はさかのぼって請求されますので、長期間放置していると、まとまった金額に膨らんでしまうこともあるため、NHKへの手続きは早めに行うようにしましょう。
 

出典

裁判所 裁判例検索 裁判例結果詳細 最高裁判所判例集 事件番号 平成26(オ)1130

日本放送協会(NHK)
受信料の窓口 放送受信料のご案内 受信料額表
よくある質問集 割増金はどのような場合に請求されるのか
よくある質問集 割増金はいくら支払わなければならないのか
よくある質問集 受信料に時効はあるのか
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー