連邦準備制度理事会(FRB)は30日から5月1日にかけて連邦公開市場委員会(FOMC)会合を開催する。インフレが連邦準備制度理事会(FRB)の目標である2%達成軌道を一段と確信するデータに乏しく、FRBは政策金利を据え置く見通し。パウエル議長は1月の高インフレが季節的要因が大きく影響したためで、インフレ緩和の基調は依然変わらずとしていたが、最近、インフレが2%目標に向けて改善している一段の確信を得るには想定以上に時間がかかる可能性があるとハト派姿勢を後退させた。また、年内の利下げの可能性にも言及しなかった。3月の消費者物価指数(CPI)や生産者物価指数(PPI)、PCE価格指数ではインフレの一段の改善は見られず。最近のインフレ改善ペースの停滞が目標値に向けた荒い軌道の一環か、または、それ以上のことを示唆しているのかのFRB金融政策当局者の判断に焦点が集まる。一部の高官は必要とあれば追加利上げも辞さない姿勢を見せた。パウエル議長も今回の会見で、タカ派姿勢を強める可能性も残る。



連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ先送り観測が強まり、円相場は対ドルで対ドルで160円と、1990年来の円安水準となった。これを受け、日本の当局は円安是正介入を行った可能性が報じられた。神田財務官は「介入かどうか申し上げないが24時間対応できる準備をしている」と述べており、月末まで明確化されない。同時に、米国のインフレ改善が停滞しているほか、景気や雇用も底堅く、パウエル議長が指摘したようにFRBが利下げに踏み切る条件が整うまでにはまだ時間がかかる可能性がある。ドル高の流れを修正するのは困難と見られる。このため思惑が強まっている日本当局による円安是正介入も急速な動きを抑制するには有効と見られるが、流れを転換させるのは困難と見られる。