欧州中央銀行(ECB)は定例理事会で予想どおり政策金利4.50%に据え置きを決定した。5会合連続の据え置きとなる。声明では基調的インフレの大半の指標は緩和しつつあり、もし、インフレが目標2%にむかう確信が持てれば、利下げの可能性があると指摘。同時に、特定の金利軌道を事前に約束することはせず、データ次第で各会合で決定する方針を再表明した。



ラガルド総裁は会見で、「少数の政策委員は現時点でインフレに確信を得ていた」と、今会合で一部の委員が利下げを支持したことを明らかにしたが6月まで待つことを大多数が選好。6月に我々の期待が満たされたか判断し、「もし、ディスインフレ継続なら、金利の道筋に反映させる」と、6月の利下げの可能性も示唆した。



FRBよりも早くECBが利下げを開始するとの見方にユーロ売りが優勢となった。ユーロ・ドルは1.0757ドルまで上昇後、1.0787ドルまで下落し、ほぼ2カ月ぶりの安値を更新。ユーロ・円は163円95銭まで下落後、164円50銭まで反発も164円09銭までじり安推移した。ユーロ・ポンドは0.8543ポンドまで下落後、0.8557ポンドへ反発後、0.8555ポンドまで再び下落した。

【金融政策】

・欧州中央銀行(ECB)

・主要政策金利を4.50%に据え置き決定

・預金ファシリティ金利(中銀預金金利、下限)を4.00%に据え置き決定

・限界貸出金利(上限)を4.75%に据え置き決定



「インフレは低下が続いた」

「基調的インフレの大半の指標は緩和しつつある」

「もし、インフレが目標2%にむかう確信が持てれば、利下げの可能性」

「金利の軌道を決定するうえで、データ次第のアプローチを続ける」

「必要な限り十分に景気抑制的な政策を設定する」

「特定の金利軌道を事前に約束することはしない。データ次第で各会合で決定へ」