■今後の見通し



昭和産業<2004>の2024年3月期の業績予想は、第3四半期の実績を踏まえ、第2四半期決算の時点で公表した修正値をさらに上方修正した。売上高340,000百万円(前期比1.5%増)は据え置いたが、営業利益を10,000百万円から13,000百万円(同210.7%増)、経常利益を12,000百万円から16,000百万円(同145.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益を9,000百万円から12,000百万円(同54.3%増)に修正している。これとともに2024年3月期の期末配当予想を修正、前回発表内容である40円を50円に上方修正した。この結果年間配当金の額は当初の70円から80円(前期比15円増)となる。配当予想の修正はあくまで通期業績予想の修正に伴うもので、同社が従来からの方針としている「長期的に安定した配当の継続」という安定路線の考え方に変化はない。今回の業績予想並びに配当予想の上方修正は、同社の方針である、コストに見合う適正価格での販売という事業方針を推し進めた成果と言えるだろう。



同社としては、例年第4四半期は他四半期と比較して落ち込む傾向にあることから、売上面についてはやや保守的な計画としているようだが、輸入小麦の政府売渡価格の引き下げ(2023年10月、平均11.1%)に伴って2024年2月より家庭用小麦粉の値下げによる買い控え改善の期待があるほか、原材料相場や為替相場も落ち着きを示していることから、計画値の達成確度は高いものと弊社では見ている。



(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)