イジメの被害に遭ったとき、学校側の対応によっては事態がさらに悪化することがあります。イジメのせいで不登校になった児童がいるにもかかわらず「知らない」と学校に言われたら、あなたはどうしますか? これは筆者の友人・Sから聞いたエピソードです。

イジメによる不登校

私の友人・Sの息子の小学校のクラスではイジメが蔓延り、クラスの1/3の生徒が不登校になっていました。
Sの息子もその1人。
イジメを行っているメンバーはハッキリしているのに、学校側は何も動かず、Sは何度も相談していましたが「イジメは確認できませんでした」という回答しか得られませんでした。

幸いなことに、Sは他の不登校の保護者と連絡を取り合うことができ、お互いに情報交換をしていましたが、聞こえてくるのは学校側の不誠実な対応ばかりでした。

直訴

『学校に話しても埒が明かない』『お話にならない』と見切りをつけたS達保護者は結託し、市の教育委員会へ直訴することにしました。
また不登校児の保護者の1人に、市会議員とつながりがある人がいたため、そちらへも直訴。

どこへ行っても学校側の対応に問題があるという結果になり、ついには教育委員会が学校側へ調査を命じることになりました。

今さら

保護者たちが動いたことに慌てたのは学校の校長でした。
今まで何を聞いても「知らなかった」「私は聞いていない」としらを切り通していましたが、さすがに教育委員会から調査の依頼があったとなっては、知らん顔をしているわけにはいきません。

校長は手のひらを返したようにさまざまな案を提出してきたのですが、時すでに遅し……。
問題は何も解決せず、学校側の不手際が露呈する結果となったのです。

結果

次の年度、校長は退職に追い込まれ、関わっていた教師は全員異動になったそうです。
ただ子ども達の不登校は改善されず、根本的なイジメの解決には至らなかったので、不登校の子ども達は卒業を控えた年に再度教育委員会へ直訴し、別の学区の中学校へ行くことになりました。

Sの息子がイジメを受け始めたのは2年生。
個人面談などでも毎回相談していたのに、学校側が何も動かなかったせいで、4年間もの間学校へ行くことができなかったのです。

最終的には反撃が成功したのかもしれませんが、子ども達が心に負った傷は治る確証がありません。
どのような理由があったのかはわかりませんが、自分たちの保身に走った教師たちには、いつまでもこのことを覚えておいてほしいとSは話してくれました。

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:RIE.K