〈発売中の『婦人公論』4月号から記事を先出し!〉 NHK連続テレビ小説『ブギウギ』では、スズ子を支える家政婦さん「大野晶子さん」を熱演、舞台や映画、ドラマで独特の存在感を見せる木野花さん。2023年には、演出家として読売演劇大賞・優秀演出家賞も受賞しました。自他ともに認める元気印の木野さんですが、体の痛みで動くこともままならなかった時期があったそうです。 (構成=村瀬素子 撮影=岸隆子)

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痛み止めを飲み、足を引きずりながら

ありがたいことですが、昨年後半からオファーをいただいたお仕事が立て込みまして、近年一番の忙しさでした。『ブギウギ』の収録で毎週大阪に通い、映画『熱のあとに』『じょっぱり―看護の人 花田ミキ』に出演。

役者業と並行し、演劇ワークショップで演出していた芝居の発表会もあってと、常に仕事が重なり、ほぼ休みなく働いて……。この状況を乗り切れるか、私! と半ば体力気力を試されてる気分で思わず気合が入り、気がついたら終わっていました。(笑)

撮影現場や芝居の稽古場に行くと、若い人によく言われるんです。「木野さん、なんでそんなに元気なんですか!」と。なんででしょうね。76歳になりましたが止まりませんね。うるさいくらい元気なようです。

今は健康な私ですが、60代の中頃は歩くのもつらい状況にありました。50代後半から脚の付け根が痛み始め、病院に行くと、変形性股関節症との診断。

この病気は、大腿骨と骨盤の間にある軟骨がすり減り、歩くたびに痛みが出てきて脚を動かしづらくなります。私は外股で歩くクセがあったので、年を重ねるうちに軟骨が激しくすり減ってしまったようです。