◆JERA セ・リーグ DeNA2―6ヤクルト(8日・横浜)

 高く弾んだ打球は二塁手・牧のグラブの先を抜けていった。1―0の初回無死一、三塁の好機でヤクルト・村上宗隆内野手(24)は石田健のスライダーを振り抜いた。会心の当たりではなかったが、一、二塁間をしぶとく破る適時打となり、「本当にいい所に飛んでくれました」と、笑顔を見せた。これで1日の巨人戦(東京D)から6戦連続で打点をマーク。勝負強さを結果で示した主砲は「チャンスで回ってきたら打点を挙げるのが僕の仕事」と、胸を張った。

 プロ入り前に打撃フォームを参考にするなど尊敬の念を抱いてきた筒香が、DeNAに5年ぶりに復帰。決定した際には「僕がプロに入る前はすごく憧れていた選手ですし、すごい選手だなと思います」と目を輝かせながら、「敵として厄介というか(強打者が)1人加わったことでベイスターズがより強くなるかなと思う。負けないように厚い打線で戦っていければ」と、対戦を心待ちにしていた。

 6日の同カード(横浜)では1軍に昇格したばかりにもかかわらず、終盤に逆転V弾を放つ筒香の姿を見て「球場の雰囲気も含め、すごく押されていたのであの場面で打てるのはさすが」と、驚きを隠さなかった。6回の右前打で7戦ぶりのマルチ安打。打率も2割8分3厘へと上昇した。ツバメの主砲の負けん気が垣間見えた意地の“お返し”だった。

 史上最年少となる24歳3か月での通算200号は10日の巨人戦(神宮)以降に持ち越しとなった。「自分の打席に集中するだけ。来た球を一発で仕留められるように頑張りたい」。本拠地での白星をメモリアル弾で彩る。(長井 毅)