エーザイの内藤晴夫CEOは3月7日、本社で開いた記者懇談会で、アルツハイマー病(AD)治療薬レケンビ(一般名:レカネマブ)について、「かかりつけ医のAD診断・治療への本格参入」を可能にすることにより、価値を増大させる考えを示した。

 レケンビは昨年12月に薬価収載され、日本国内で保険適用となった。国内の導入状況について内藤CEOは、2023年度内に大学病院/ナショナルセンター35施設、基幹病院213施設で処方が開始され、医師約3,500名のARIA(アミロイド関連画像異常)に関する講習の受講が完了する予定と説明。国内発売が12月下旬だったことを踏まえ「実働50日余りの中では想定以上の展開、非常に順調な処方導入ができている」と評価の認識を示した。

■「かかりつけ医はレケンビ価値増大の重要なゲームチェンジャー」

 エーザイはレケンビの今後について、2024〜2025年度にかけて皮下注の自己注射製剤(SC-AI)の米国FDA承認取得、2026年度を目途に血液バイオマーカー(BBBM)の普及が進むことを見込んでいる。

 内藤CEOは、皮下注と血液バイオマーカーを組み合わせ、診断・治療パスウェイを大幅に簡素化することにより「(AD治療の市場は)かかりつけ医が主要な役割を果たすマーケットに大きく転換する」との見通しを示し、「かかりつけ医はレケンビ価値増大の重要なゲームチェンジャー」と説明した。