ニコ・ヒュルケンベルグは、ハースF1がマシンセットアップを変更したことで、アゼルバイジャンGP決勝をピットレーンからスタートすることとなった。

 ヒュルケンベルグは金曜日の予選で17番手。アルピーヌのエステバン・オコンが先にピットレーンスタートを選択していたことで、16番グリッドから決勝レースを迎えることとなっていたが、いずれにせよ厳しい週末となっていた。

 土曜日のスプリントシュートアウトでヒュルケンベルグは12番手獲得と、風向きが変わったようにも思われたが、17周のスプリントレースでリヤタイヤに激しいグレイニング(ささくれ摩耗)が発生し苦戦、15位でチェッカーを受けた。

 決勝レースでこれ以上の結果が望めないと判断したか、ハースはヒュルケンベルグのグリッドポジションを犠牲に、金曜日の予選から適用されているパルクフェルメルールを破ってマシンに変更を加えることを決めた。

 スプリントの後ヒュルケンベルグは、マシンの厳しい状態について、次のように語っていた。

「そう(マシンに問題があったと)は思っていない。セーフティカー明けはグレイニングが厳しくて、3〜4周でタイヤが完全に壊れてしまった」

「僕には戦える武器があまりなかった。だからおむすびみたいにコロコロと順位を落としてしまった。状況を振り返って、分析する必要がある」

「いくらかグレイニングが起こるだろうとは予想していたけど、このレベルは予想してなかった。トラクションが無いだけじゃなくて、どこでもグリップが無いんだ」

「このようなコースだと、かなり不安定でトリッキー……とても危なっかしかったよ」

 ピットレーンスタートとなったヒュルケンベルグとオコンは、レース開始5分前までにピットレーン出口にマシンを並べ、元々の予選順位によってヒュルケンベルグはオコンの後ろでスタートを迎えることとなる。