マルク・マルケス(グレシーニ)はMotoGP第2戦ポルトガルGPの初日プラクティスで転倒する場面があった。彼はこの転倒を、まだホンダ時代の“本能的”なライディングを引きずっている部分があったためだと語った。

 マルケスはポルトガルGPプラクティスでは上位タイムを序盤から記録。最終的には終盤に記録したタイムで3番手となり、予選Q2への直接進出を確保した。

 そのプラクティスにおける最後のアタック中、マルケスはターン5で転倒。これがドゥカティ陣営に加入後、レースウィークでは初めての転倒だった。

 初日の走行を振り返ったマルケスは、バイクに小さな変更を施したことからより自信を持ってプッシュできるようになったと語る。しかしブレーキングの時にホンダ時代のライディングの“本能”が出てしまい、転倒に繋がったと彼は説明した。

「バイクにちょっとした変更を入れたことで、もっと自信が深まったんだ」

 マルケスはそう語る。

「自信が深まればもっとプッシュできるようになるし、一歩一歩その方向に進んでいくことが必要なんだ」

「例えば今回のクラッシュだけど、最後のタイムアタックをしているときだった。昨日話したとおり、ホンダ時代は誰かの後ろでやるとより良いフィーリングだったんだけど、ドゥカティでは悪く感じるんだ」



「それで新しいやり方で対処しようとしているところなんだ。(転倒した際は)エントリーのときにリヤを失ってしまって、妙なクラッシュになった。でも結局のところ僕がミスをしたし、よく分析する必要がある。でもなぜクラッシュしたか、僕は分かっていると思うよ」

「これも前に話したけど、アタックをしているときには本能が顔を出してしまうんだ。そしてホンダのマシンをスライドさせながらコーナーのエイペックスを超高速で走るのに、僕は慣れていた」

「このバイクでは、違った方法で乗る必要がある。ポテンシャルが別の場所にあるんだ」

「ブレーキングポイントで、まずマシンが揺れていて、スピードも速すぎたんだけど、僕は本能のまま、スライドさせて行こうとした。でも今なら、それはムリなんだと分かるよ」

 転倒を経験したマルケスだが、彼はドゥカティのマシンのライディングを楽しんでいるという。そして開幕戦よりも、レースでのマネジメントをより簡単に感じられるだろうと語った。

 ポルトガルGPでのレースマネジメントはどうなりそうかと訊かれたマルケスは「カタールより楽だろう」と答えた。

「カタールでは、僕は少し苦戦していた。俗に言う“コンサバ”なライディングなところがいくらかあったと言われるかもしれないけど、僕は単に自信を持って乗れていなかった」

「保守的な走りに見えたかもしれないが、自信がなければプッシュする事はできないんだ」

「そしてここでは、より自信を持てている。フランキー(カルチェディ/クルーチーフ)も僕のライディングスタイルをより良く理解してくれているし、僕もバイクのことをより理解し始めた。そしてバイクに小さな変更を加えたんだ」

「速く走るために、このバイクでは何が必要なのかを理解し始めたんだ」

「こういった物事が全て、自信を深めてラップタイムをより縮める上で役に立つ。特にタイムを縮めるというのは、レースウィークの中でも最も重要なことのひとつだからね」