ハースF1チームの小松礼雄曰く、“無駄金”にならないことが条件でオーナーであるジーン・ハースは投資に意欲的だという。

 2024年シーズン開幕を前に、テクニカルディレクターのシモーネ・レスタと代表のギュンター・シュタイナーがチームから離脱したハースF1。体制変更に伴い、チーム代表にはトラックサイドエンジニアリングディレクターから小松が登用され、その小松の後任にはチーフエンジニアだったアンドレア・デ・ゾルドが就任した。

 これらの決定には、オーナーのジーン・ハースがチームのここ最近の成績不振に不満を抱いていたという背景がある。

 しかし小松代表は、ジーン・ハースがチームへのコミットメントに意欲的であり、新しいモーターホームの設置や人材獲得の計画も明かした。

「私は1月10日付けで正式に就任しました。初日からジーンのメッセージは明確で『金はある。投資の用意もある』と言っていました」と小松代表は語った。

「しかし我々は責任を持って、効率的に資金を使えることを示す必要があります」

「彼は無駄を見たくないんです。彼が億万長者なのには理由があります。無駄遣いが嫌いなんです」

「だから彼の『私の金を、責任を持って使っていることを示す必要がある。ある程度のポジションを確保してから投資について考える』という最初のメッセージはあまり気になりませんでした」

「でもその段階になれば、彼が本当に投資してくれることは間違いありません。既に彼は来年のために新しいモーターホームを購入しました。決して小さな投資ではありません。そういうことが行なわれているんです」

「また我々は今、合理的なリクルートも行なっています。我々の人数からすると、新規雇用のかなりの部分が成立しています。ジーンは私に言ったことを実行に移しています。だから私は彼が投資しないことを心配しているわけではありません。彼は投資してくれるはずです。しかし我々は我々の役割を果たす必要があります」

 また小松代表は「(ジーン・ハースの)信頼を取り戻そうとしているだけだ」と付け加え、新しいモーターホームへの投資は2024年シーズン開幕から力強いスタートを切る前に合意していたことだったと明かした。ジーン・ハースのコミットメントは揺らいでいないようだ。

 今季は上位5チームが抜け出しており、ハースF1を含む他の5チームがコンストラクターズランキング6番手以下を争っている。その“ベスト・オブ・ザ・レスト”につけるのは計7ポイント獲得のRB。ハースF1は計4ポイント獲得でそれを追いかけている。

 ハースF1の下につけるウイリアムズ、アルピーヌ、ザウバーの3チームは4戦を終えた段階で無得点だが、今後加速するマシン開発競争の中でハースF1がランキング7番手を維持することは難しいと小松代表は見ている。

 そして年内の新スタッフ加入を待ちつつ、量よりも質の高いパーツを迅速に投入することに集中すると小松代表は語った。

「今すぐ人数を増やしたとしても、入ってくるまでにあと半年はかかります。そうですよね?」と小松代表は言う。

「だから我々は、自分たちでコントロールできることに集中しています。それが我々にできることです」

「どうすれば最も効率的にできるのか? アップデートを迅速にできるよう、遅かれ早かれ形にしようとしています」